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鶏の生食をお題としたABEMA Primeニュースに出て思い出した、討論番組の空中戦と飲食業界の影

松浦達也編集者、ライター、フードアクティビスト

先週22日(木)にABEMA Prime ニュースに呼ばれてお邪魔してきました。番組のことをあまりよく知らなかったのと、収録がテレビ朝日だったので「ネットで配信されるニュース番組かな?」と思ってのこのこ出かけていったのですが、ざっくり言うとライトな「朝まで生テレビ」系の討論番組でした。

MCはいまをときめくEXITさん、進行は平石直之アナウンサー(テレビ朝日)、コメンテーターに社会実験活動家の若新雄純さん、グラビアアイドルの倉持由香さん、NPO法人代表の大空幸星さん。そして僕と同じ立場のゲストコメンテーターで呼ばれたのが、ラーメンプロデューサーの島田隆史さん。

肖像権等の関係上、僕が映っているものでお許しください。
肖像権等の関係上、僕が映っているものでお許しください。

https://www.youtube.com/watch?v=yrYiQkpu8SQ

ニュースのフックは、東京の両国橋際にあった焼鳥の名店「江戸政」が突然の閉店を決めたことでした。ことの発端は、ある料理研究家・ライターの方のTweetでした。この方と面識はないものの、ファクトベースで発信される方だと認識しておりました。ただSNSでは時々勢いのいい投稿をされる方だとも認識しており、今回のTweetも少しばかり煽動的な口ぶりでした。

「生つくね」という文字列を目撃してしまい、いやいやいやいやまさかまさかそんなと思って画像検索してみたら、ほんまに生のままのつくねを出しているお店があるらしく、恐怖画像が次々と…

「当アカウントでは具体的にどの店がという話はしていません」「鶏の生食はリスクが大きいという話を主眼にツイートしています」とフォローしているものの、「生つくね」で画像検索するとほぼ江戸政がヒットしてしまいます。

後に書き方について「言葉足らずだったけど、TwitterというSNSの性質でもあるので大目に見てほしい。」と書いておられました。

僕も言葉足らずになる傾向があるのでよくわかりますが、これはSNSの性質というより、この方や僕など個人のTweetの傾向と言うべきでしょう。言葉を尽くしたTweetをされる人もいますし、本件が話題になった後は、ていねいに説明しているので、TPOに応じて言葉の粒度をチューニングしていく方なのだと思われます。

ともあれこのTweetを目にした人々が、「生食の安全」について言及し始めます。当初僕は気づいていなかったのですが、本稿で2019年に書いた「今年も発生。鶏肉の生食由来の食中毒事件が各地で後を絶たないやるせなさ」を友人がRTしてくれつつ、こんなTweetを上げていたのを見て騒動を知りました。

https://twitter.com/inuro/status/1572230744264830976

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編集者、ライター、フードアクティビスト

東京都武蔵野市生まれ。食専門誌から新聞、雑誌、Webなどで「調理の仕組みと科学」「大衆食文化」「食から見た地方論/メディア論」などをテーマに広く執筆・編集業務に携わる。テレビ、ラジオで食トレンドやニュースの解説なども。新刊は『教養としての「焼肉」大全』(扶桑社)。他『大人の肉ドリル』『新しい卵ドリル』(マガジンハウス)ほか。共著のレストラン年鑑『東京最高のレストラン』(ぴあ)審査員、『マンガ大賞』の選考員もつとめる。経営者や政治家、アーティストなど多様な分野のコンテンツを手がけ、近年は「生産者と消費者の分断」、「高齢者の食事情」などにも関心を向ける。日本BBQ協会公認BBQ上級インストラクター

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