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プロ14年目に今まで未経験だったポジションを守る。試合の途中からではなく先発出場

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョン・バーディ(左)とユリ・グリエル Oct 7, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 10月7日、ディビジョン・シリーズ第2戦のスターティング・ラインナップに、ジョン・バーディ(ニューヨーク・ヤンキース)は、「9番・一塁」として名を連ねた。

 バーディは34歳。メジャーリーグ7年目だ。開幕直前のトレードにより、マイアミ・マーリンズからヤンキースに移籍した(「開幕前日に、ヤンキースは三角トレードで2年前の盗塁王を獲得する。三塁のレギュラーとして起用!?」)。これまで、三塁、二塁、遊撃と外野の3ポジションを守ってきたが、一塁とバッテリーの経験はなかった。

 メジャーリーグだけでなく、マイナーリーグでもそうだ。2011年がプロ1年目なので、14年目にして初めて一塁の守備についた、ということになる。

 ヤンキースは、アンソニー・リゾーDJ・ラメイヒューを欠いている。リゾーは、9月28日の死球により、右手の薬指と小指を骨折した。ラメイヒューは、右の腰を痛め、9月初旬から故障者リストに入ったまま、レギュラーシーズンを終えた。

 ただ、こちらも内外野を守るオズワルド・カブレラのレパートリーには、一塁も含まれている。ディビジョン・シリーズの第1戦は、カブレラが一塁手として出場した。ロースターには、ルーキーの一塁手、ベン・ライスも入っている。

 第2戦は、左腕のコール・レイガンズ(カンザスシティ・ロイヤルズ)が相手だった。ライスは左打者だが、カブレラはスイッチ・ヒッターだ。右投手と比べると、カブレラは左投手を打つことができていないため、アーロン・ブーン監督は、右打者のバーディを一塁に起用したのかもしれない。

 バーディは、一塁手として、問題なくプレーしたように見えた。これまで経験したことがなかったのは、身長の低さが理由の一つだろうか。もっとも、レイガンズと対戦した2打席は、どちらもアウトになった。

 9回裏、バーディは、右腕のルーカス・アーセグからヒットを打ったが、次のグレイバー・トーレスが遊撃ゴロに倒れ、試合は終了。ヤンキースは、2対4で敗れた。

 これで、シリーズは1勝1敗。第3戦と第4戦は、10月9日と10日にカーフマン・スタジアムで行われる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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