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生え抜き三塁手との再契約は消滅!? 同じく生え抜きの外野手を放出したトレードで得た3人中2人は三塁手

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・ブレグマン May 12, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 12月13日、ヒューストン・アストロズは、カイル・タッカーをシカゴ・カブスに放出し、その見返りとして、イサック・パレイデスヘイデン・ウェズネスキーキャム・スミスの3人を獲得した。

 これまで、タッカーは、生え抜きの外野手としてプレーしてきた。2015年のドラフトで、アストロズから全体5位指名を受けた。

 タッカーについては、こちらで書いた。

「カブスがトレードで獲得した外野手の実力はソト以上!? シーズン本塁打が30本を超えたことはないが…」

 ただ、2015年のドラフトで、アストロズが最初に指名したのは、タッカーではなかった。全体2位にアレックス・ブレグマンを指名した。2014年にアストロズから全体1位で指名されたブレイディ・エイケンが入団せず、アストロズは2015年に全体2位の指名権を得た。エイケンは、2015年にクリーブランド・インディアンズから全体17位指名を受け、プロ入りした。

 タッカーと同じく、ブレグマンも移籍することなく、こちらは三塁を定位置としてきた。2024年の出塁率こそ.315だが、その前の7シーズン(2017~23年)は出塁率.350を下回ったことがなかった。シーズン25本塁打以上は4度。2018~19年が31本塁打と41本塁打、2023~24年は25本塁打と26本塁打だ。守備もうまく、2024年はゴールドグラブを受賞した。

 今オフ、ブレグマンは、アストロズからFAになった。MLB.comのブライアン・マクタガートは、今月初旬に「情報によると、今週、アストロズはブレグマンに約1億5600万ドルの6年契約を申し出た」「けれども、ブレグマンが望んでいるのは2億ドル近い契約だと思われる」と報じた。

 タッカーのトレードにより、アストロズがブレグマンと再契約を交わす可能性は、さらに低くなったように見える。

 タッカーと交換にアストロズが獲得した3人のうち、ウェズネスキーは投手だが、パレイデスとスミスは三塁手だ。

 パレイデスは、ここ2シーズンに50本のホームランを打ち、どちらのシーズンも.350前後の出塁率を記録している。スミスは、2024年のドラフト全体14位だ。プロ出場は32試合に過ぎないものの、その10試合目からAで6試合連続ホームランを記録し、A+を経て、AAまで上がった。

 ここからの3シーズンはパレイデスが三塁を守り、2027年のオフにパレイデスがFAとなった後はスミスが三塁、というシナリオを描くこともできる。

 もっとも、アストロズの想定する年数と金額の契約をブレグマンが受け入れれば、再契約はあり得なくもない。パレイデスは内野4ポジションの経験があり、アストロズは一塁のレギュラーが確定していない。スミスに関しては、これから外野にコンバートすることも可能だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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