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カブスは外野手を獲得し、三塁手ら3人を手放す。ベリンジャーか鈴木の放出は必至!? 三塁は誰が守る!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
イサック・パレイデス Aug 13, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 12月13日、ヒューストン・アストロズとシカゴ・カブスは、1対3のトレードを成立させた。カイル・タッカーがカブスへ移り、イサック・パレイデスヘイデン・ウェズネスキーキャム・スミスの3人がアストロズへ移籍した。

 タッカーが加わり、カブスには、レギュラークラスの外野手が5人となった。タッカー、イアン・ハップコディ・ベリンジャー、PCAことピート・クロウ-アームストロング鈴木誠也がそうだ。誰かがDHでも、1人余る。

 ベリンジャーか鈴木のどちらかは、開幕までにトレードで放出されそうだ。今のところ、移籍の可能性が高いのは、ベリンジャーだろう。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンによると、カブスとニューヨーク・ヤンキースは、ベリンジャーのトレードについて話し合っていて、ネックとなっているのは、ベリンジャーに支払う金額のうち、カブスがいくら負担するかだという。

 ベリンジャーの残る契約は、2025年が年俸2750万ドル、2026年は年俸2500万ドル(解約金500万ドル)の選手オプションだ。トータルの金額は、ベリンジャーがオプションを破棄すれば3250万ドル(2750万ドル+500万ドル)、行使すると5250万ドル(2750万ドル+2500万ドル)となる。

 ちなみに、鈴木の残る契約は、2025年も2026年も年俸1800万ドルなので、計3600万ドルだ。この契約には、全球団に対するトレード拒否権がついている。

 また、鈴木は右打者、ベリンジャーは左打者だ。タッカー、ベリンジャー、PCAの3人に加え、一塁手のマイケル・ブッシュも左打者という点からも、カブスはベリンジャーを手放そうとしているように見える。

 一方、パレイデスを放出したことで、三塁のポジションは空いた。こちらは、アストロズからFAとなったアレックス・ブレグマンを迎え入れる、トレードでノーラン・アレナード(セントルイス・カーディナルス)を獲得する……といった方法もあるが、若手を抜擢するのではないだろうか。

 2023年のドラフトでカブスが全体13位に指名したマット・ショウは、プロ2年目の2024年に、AAで86試合とAAAで35試合に出場。計121試合で打率.284と出塁率.379、21本塁打と31盗塁、OPS.867を記録した。11月に行われたプレミア12では、9試合で打率.412(34打数14安打)と出塁率.500。5本の長打、ホームランと二塁打を各2本に三塁打を1本打ち、全選手最多の14打点を挙げた。

 2023年は遊撃と二塁を守ることが多かったが、2024年は三塁がメインとなっている。遊撃と二塁の出場試合は、合計しても三塁より少ない。これは、遊撃にダンズビー・スワンソン、二塁にはニコ・ホーナーがいるのが理由だろう。2024年の前半に三塁を守っていたクリストファー・モレルは、夏のトレードでパレイデスがタンパベイ・レイズからカブスへ移籍した際、入れ替わりに、他2人とともにレイズへ移った。

マット・ショウ(中央)Jul 17, 2023
マット・ショウ(中央)Jul 17, 2023写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 ちなみに、ショウの出身地は、マサチューセッツ州のスプリングフィールドだ。ボストンから西へ、車で約1時間半の距離に位置する。昨年9月にマーキー・スポーツ・ネットワークの「カブス・ライブ!」に出演した時、ショウは、ロール・モデルの選手にダスティン・ペドロイアを挙げていた。ペドロイアもショウも、身長は6フィートに満たない。

 ペドロイアは、ボストン・レッドソックス一筋に、2006年から2019年までプレーした。通算の出塁率は.365。ホームランは140本だが、二塁打は394本を数えた。2007年に新人王、2008年はMVPを受賞し、二塁を守ってゴールドグラブは4度。当時のレッドソックスの「ハート&ソウル」とも言うべき存在だった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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