先送りの習慣をなおすには「朝」を利用する ――朝PDCAのやり方
先送りの習慣を治すのは朝だ
先送りの習慣を、なかなか治せない人がいます。先送りを繰り返していくと「やるべきこと負債」が蓄積されていくため、一定の領域を超えると「破産」します。「もうダメ! もう無理!」「どうして私ばかり、こんなにやることが多いの!」と逆ギレしてしまうこともあるでしょう。
自分自身で「やるべきこと負債」を貯めつづけただけです。誰のせいでもありません。
私は企業の目標を絶対達成させるコンサルタントです。何らかの目標を達成させるうえで「やるべきこと」を先送りせず、淡々とこなす習慣はとても重要と、現場の方々にお伝えしています。どんな知識、テクニックを持っていたとしても、この習慣がなければ、達成できることも達成できないからです。
組織で目標を達成させるためには、「やるべきこと」をメンバーに割り振る必要があります。つまり役割分担(ロールアロケーション)が重要。しかし個人の目標を達成させるためには、分担ができません。したがって、ひとりでするときは、時間で分担するのです。これを「タイムアロケーション」と呼びます。
「やるべきこと」を誰に処理してもらうか? という視点と同じように、「やるべきこと」をいつ処理しようか? という視点もまた大事である、ということです。
絶好のタイミングは「朝」
「やるべきこと」を先送りしないためには、「やるべきことリスト」を常にメンテナンスしていくことが重要です。今週の「やるべきこと」は何か? 昨日すべきだったのに先送りしてしまった「やるべきこと」は何か? 今日じゅうに処理すべき新しい「やるべきこと」は何か? ……このようなことを考える時間を確保することがまず大事。
「やるべきこと負債」を貯めないためにも、このメンテナンスの時間を「朝」に割り振るのです。(タイムアロケーション)
ストレス耐性が最も高い時間帯は、朝起きてから20分後と言われます。(参考文献:久保田競氏著「あなたの脳が9割変わる! 超「朝活」法―脳科学の最高権威がはじめて明かす」)5時に起きたら5時20分。6時に起きたら6時20分です。正確に20分後かどうかは置いておいて、夜よりも朝のほうがストレス耐性が高いことは間違いないでしょう。ですから「朝活」という言葉があるのです。勉強であったり読書であったり、運動など、面倒なことを「朝」にやりたいと考える人が多いのは、「朝」がストレスに強い時間帯であるからです。
私は毎朝、5分ほど自宅で「マインドフルネス瞑想」をします。座って目を閉じ、基本である「調身(姿勢を調える)」「調息(呼吸を調える)」「調心(心を調える)」を意識して、深呼吸を繰り返します。
目の前には、愛用しているロディアのブロックメモを置いておきます。マインドフルネス瞑想の最中は、雑念を振り払う必要があります。にもかかわらず「これから出勤して仕事だ」と思えば思うほど、昨日「先送りしたこと」、今日「やるべきこと」が次々に浮かんでくるのです。
そういったノイズを減らすためにも、目の前のメモにどんどん「やるべきこと」を書き出していきます。メモを書いては目を閉じ、メモを書いては目を閉じ……を繰り返します。すると、少しずつ心が落ち着いてきます。「やるべきこと負債」が蓄積されていると、ついつい心が乱れてしまいがちですが、マインドフルネス瞑想をしていると、心が調ってくるのです。頭が整理され、どの順番でやるべきことを処理しようか、考えられるようになります。
正しくPDCAサイクルをまわすために、効果的に「朝」を利用してみましょう。5分だけ自分と向き合って心を落ち着けるだけで、かなり「先送りの習慣」はなくなっていくものです。
※参考記事:圧倒的な成果を生み出す「朝PDCA」とは?