Yahoo!ニュース

「米国に声を届けよう」ガザ平和を求めるデモに大勢の市民が足を運ぶ ノルウェー

鐙麻樹北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事
ノルウェー国会周辺に多くのオスロ市民が集まった 筆者撮影

圧倒されるほどの人の波がノルウェー国会前に出現した。16日、土曜日の日中にノルウェー全国各地でガザでの平和と停戦を求めるデモが開催された。100以上の政党や団体が名前を連ね、首都オスロでは国会前に約1万30000人が集まったと警察は推定している(オスロの人口は71万人)。

デモで求められたことは3つ。ガザでの子どもたちや市民の殺害を止めること、国際法を守ること、民間人の人質や恣意的な拘束を解くことだ。

デモの目的はノルウェー市民の声をワシントンに届けることでもある 筆者撮影
デモの目的はノルウェー市民の声をワシントンに届けることでもある 筆者撮影

ノルウェーでは特に「子どもが殺害されていること」に憤りを覚えている市民が多い。デモの現場では「子どもを生かして」「ボイコット・イスラエル」「米国は恥を知れ」「パレスチナに自由を」と叫ぶ人が多かった。

国会前では毎日なにかしらのデモが開催されているが、国会周囲の通りに人があふれ出るほど市民が集まることは珍しい。中心部の交通機関は止められ、警察は警備にあたっていた。

停戦を求めるプラカードを持って歩く若者 筆者撮影
停戦を求めるプラカードを持って歩く若者 筆者撮影

イスラエル支持の声は聞こえず、デモはガザへの連帯を示すものだった。国会前からは国会議員も様子を見守り、デモ参加者や主催者にはかつて政治家だった人の姿も多く見られた。子どもを連れて、ベビーカーを押しながら参加する親の姿も目立った。

このデモはノルウェー各地の20か所で同時開催された。

カール・ヨハン通りはデモ参加者で溢れていた 筆者撮影
カール・ヨハン通りはデモ参加者で溢れていた 筆者撮影

パレスチナの旗の色で現場は染まった 筆者撮影
パレスチナの旗の色で現場は染まった 筆者撮影

「平和」を意味するピースサインをした子どもたちは国会前で歌を歌った 筆者撮影
「平和」を意味するピースサインをした子どもたちは国会前で歌を歌った 筆者撮影

看護師ブランスバンド部も参加 筆者撮影
看護師ブランスバンド部も参加 筆者撮影

北欧・国際比較文化ジャーナリスト|ノルウェー国際報道協会理事

あぶみあさき。オスロ在ノルウェー・フィンランド・デンマーク・スウェーデン・アイスランド情報発信16年目。写真家。上智大学フランス語学科卒、オスロ大学大学院メディア学修士課程修了(副専攻:ジェンダー平等学)。2022年 同大学院サマースクール「北欧のジェンダー平等」修了。多言語学習者/ポリグロット(8か国語)。ノルウェー政府の産業推進機関イノベーション・ノルウェーより活動実績表彰。北欧のAI倫理とガバナンス動向。著書『北欧の幸せな社会のつくり方: 10代からの政治と選挙』『ハイヒールを履かない女たち: 北欧・ジェンダー平等先進国の現場から』SNS、note @asakikiki

鐙麻樹の最近の記事