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大人の日帰りウォーキング 遠出しないで森林浴を楽しむ旅 植物博士が愛したお庭は、静かな森の空間だった

わか子ライター

思った以上に長く続いたコロナ渦もようやく落ち着いてきました。今年のゴールデンウィークは旅行などに出かけられている方も多くいらっしゃるようですね。

そんな、今年のゴールデンウィークですが、遠出される方も、されない方も、慌ただしい日常と少し離れて緑豊かな空間を過ごすお散歩ウォーキングはいかがでしょうか。

NHK朝ドラ「らんまん」の主人公のモデルである牧野富太郎博士が晩年を過ごされた自宅と庭の跡地が庭園として一般公開されているのを知り、庭園の見学と、近くの都立公園の散策にウォーキングがてら出かけてきました。

たまたま見た番組紹介の放送で牧野博士の写真をみて、穏やかな表情をされている方だなぁと思ったのがきっかけでした。写真によっては学者らしい厳しい表情の写真もありますが、厳格な面持ちの人が多い(と思う)明治・大正時代の世の中で、こんな自然に優しそうな人間らしい表情をされる方が造ったお庭は、きっと、心が休まる何かがあるのだろうなと。

日本の植物分類学の父と言われる牧野博士は1862年の幕末動乱の時代に高知県に生まれ、1884年(明治17年)22歳の時に植物学を志して上京しました。1926年(大正15年)、後に牧野記念庭園となるこの地で暮らし始め、亡くなるまで過ごされました。

牧野記念庭園

牧野記念庭園は東京都練馬区東大泉にあります。最寄り駅は西武池袋線「大泉学園駅」で、南口より徒歩5分(約400m)です。

大泉学園駅 銀河鉄道999の車掌さん
大泉学園駅 銀河鉄道999の車掌さん

大泉学園は日本アニメ発祥の地であり、現在でも90社以上のアニメ制作会社がある「アニメのまち」です。駅のホームに流れる発車メロディーもゴダイゴの銀河鉄道999が流れています。

駅前のスーパーで昼食代わりの軽食を購入し、歩き始めて数分で牧野記念庭園へ曲がる交差点に着きます。

牧野庭園前交差点
牧野庭園前交差点

ここを曲がると、その向こうに森のように木が生い茂っている場所が現れます。

練馬区立 牧野記念庭園
練馬区立 牧野記念庭園

街中に突然現れる森のような空間が牧野記念庭園です。現在は練馬区が管理されており、入場無料です。NHKの朝ドラ「らんまん」が放送されているので、休日にはたくさんの人が訪れています。

庭園の中に一歩入ると、とても広い庭園は植物だらけで、本当の森に入って来たような感覚です。

牧野記念庭園内の様子
牧野記念庭園内の様子

牧野博士がここに移り住んだのが1926年(大正15年)なので、博士が64歳の時であり30余年暮らした場所です。博士が亡くなられたのが1957年(昭和32年)で、それからでも庭園は66年たっています。その間、樹木は大きく育ったのだろうなと思うとともに、これだけ多くの樹木が生い茂ることが出来るように植えられているのは、植物博士の眼に樹木が成長した未来の庭園がみえていたのだろうと思いました。

お天気も気候も良いこの日には、多くの人が訪れていたのですが、ここに来る人々は植物が好きな人や自然の空間が好きな人が多いのか、ざわざわすることがなく森のような空間を楽しまれていました。同じような感覚の人が訪れるのでしょうね。

雑草という草はない
雑草という草はない

庭園の大きな樹木に目が向くのですが、ふと気づくと足元にも緑が広がっています。庭園や公園では、足元に芝生が広がっている事が多いのですが、ここは植物博士が造った庭園です。「雑草という草はない」と言った博士の言葉通り、足元の植物にも名前が書かれている事に納得するとともに、植物への情熱が伝わってきます。

牧野博士の書斎
牧野博士の書斎

庭園内では牧野博士の書斎が見学できます。隣にも少し大きな部屋があり、約3,200冊の本で埋め尽くされています。晩年の牧野博士は日本中に知られる存在で、原稿執筆やマスコミ対応に忙しい毎日であったとありました。一見、無造作に積み上げられているように見えますが、よく見ると手の届く範囲に使う物が効率よく置かれているのがわかります。そして、天井を見上げれば「はだか電球」と電気コードに時代を感じさせられます。

博士が使われていた植物の採集道具
博士が使われていた植物の採集道具

博士の年賀状 昭和11年(1936年)
博士の年賀状 昭和11年(1936年)

自身の似顔絵が四隅に書かれている事にユーモアを感じます。NHK朝ドラのらんまんで主人公を演じている神木さんもイケメンですが、牧野博士も優しそうなイケメンですね。

石神井公園を楽しむ

牧野記念庭園を満喫したのちは近くにある都立石神井公園に向かいました。石神井公園は静かな湖面に周囲の木々が映りこむ様子がとても落ち着いた静寂を感じる公園です。公園内には三宝寺池とボートで賑わう石神井池の二つの池があります。

公園内はかなり広いのですが、気持ちの良い公園の為かたくさんの人が訪れています遊歩道である木道が整備されているのでその上を歩きますが、人々と行き交う事が多いので周りのペースに合わせて歩きます。

途中、お腹が空いたので、駅前で買っていたパンをベンチで食べる。
途中、お腹が空いたので、駅前で買っていたパンをベンチで食べる。

やっぱり、外で食べると美味しい。

湖畔には絵を描いている人がいたり、池の鳥を眺めている人がいたり、それぞれにのんびりと自然を楽しんでいます。街に暮らしていても自然を身近に感じて楽しめる場所があると感心しながら、自然に癒されるという事は人間の本能が求めるのかもしれないと思いました。

石神井公園を出た先で、少し道路を歩いて石神井川の川沿いを歩きます。

石神井川沿いを歩く

周辺は住宅街なのですが、川沿いの少し下がった場所に遊歩道が整備されており、人も少ないのでのんびりとウォーキングを楽しめました。桜並木が続く遊歩道は、途中、幹線道路である笹目通り(都道443)を信号で渡りますが、再度川沿いの遊歩道に戻ります。

出発した大泉学園駅から合計で5.5km程歩いたら、本日のゴールの1つである西武池袋線「練馬高野台駅」に到着します。電車では、出発した大泉学園駅から池袋駅に向かって2つ目の駅です。

もう少し先まで頑張り日帰り温泉へ

約5.5kmのウォーキングでは物足りないと思う方は、この先も石神井川に沿って先に進む合計11kmのコースもあります。

川沿いの桜並木の遊歩道をどんどん進んだ先で主要道路の環八通り(都道311)を渡ります。その先も川沿いに道が続いているのですが遊歩道ではなくなります。交通量は少ないので比較的安心して歩けるのですが、黙々と歩くような道になります。何かの修行のように歩いたその先で、ハリーポッターの施設になる旧豊島園に着きます。

旧豊島園の施設の奥には公園に整備されています
旧豊島園の施設の奥には公園に整備されています

この先は旧豊島園を回るように住宅街を抜ければ豊島園駅でゴールです。豊島園には日帰り温泉「豊島園庭の湯」があり、お店もたくさんあるので、温泉でさっぱりするのも良し、美味しい物を食べるのも良しです。一日の労をねぎらいましょう。ゆっくり休んだ後は電車に乗って帰ります。豊島園には西武池袋線と都営大江戸線の二路線があるので池袋にも新宿にも便利です。

豊島園 庭の湯
豊島園 庭の湯

本日のウォーキングコース

西武池袋線大泉学園駅~牧野記念庭園、石神井公園、練馬高野台駅までの約5.5km

練馬高野台駅~豊島園までの約5km

Googleマイマップ
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【見学施設】
練馬区立牧野記念庭園 公式ホームページ<外部リンク>
西武池袋線 大泉学園駅(南口)より徒歩5分 約400m
住所:東京都練馬区東大泉6‐34‐4
TEL:03‐6904‐6403
開園時間:9時から17時
※ただし、企画展と講習室での映像視聴は午前9時30分から午後4時30分まで
休園日:火曜日(火曜日が祝休日にあたる場合は、その直後の祝休日でない日)
年末年始(12月29日〜1月3日)
入園料:無料

【日帰り温泉】
豊島園庭の湯 公式ホームページ<外部リンク>
入館料:平日2370円、土日祝2670円、特定日2770円(利用は中学生以上)
営業時間:10時から23時
西武池袋線豊島園駅 徒歩2分
都営大江戸線豊島園駅A2出口 徒歩3分
住所:東京都練馬区神山3‐25‐1
TEL:03‐5984‐4126

ライター

東京都在住のおばさんです。子育てが落ち着いてきた頃より趣味で登山や街道歩き等を始めました。歩く旅は大変だというイメージがありますが、歩く事で解る楽しみもあります。実際に歩く旅をして、歩く旅の楽しさをお伝えしたいと思っています。

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