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「こいつだけは怒らせるな!」「じゃ、どうしたらいいの?」性格心理学に詳しいカウンセラーが提言。

竹内成彦心理カウンセラー(公認心理師)

こんにちは。
精神医学と性格心理学に詳しい
心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

今日のテーマは、「末っ子タイプ。こいつだけは怒らせるな!」です。

私が会長を務めるキャラ診断アドバイザー協会では、人を9タイプに分けて性格診断・性格判定をしています。

一生変わらないとされている生まれつき性格には、いろいろな種類がありますが、「怖がりか? 怖がりじゃないか?」は、比較的わかりやすいものです。

たとえば、お父さんタイプやお母さんタイプやおじいさんタイプは、基本、怖がりじゃぁ、ありません。もっとも怖がりなのは、間違いなく末っ子タイプ(エニアグラムでいうところのタイプ4)です。

ジェットコースターに乗る時、高い所や速いスピードが苦手なお母さんタイプは、「怖い、怖い」なんて言葉を口に出すことが多いのですが、末っ子タイプは、そんな場面に出くわしたら、ポリヴェーガル理論でいうところの凍りつき反応を起こし、顔を青ざめさせ、身動き一つすら出来なくなったりします。そう、根っからの怖がりである末っ子タイプは、身体が固まって、言葉すら発することが出来なくなってしまうのです。

さて、そんな怖がりの末っ子タイプですが、彼ら彼女らのことを怒らせてはいけません。彼ら・彼女らは、口で言えばわかる人たちです。優しく丁寧に教えてあげれば充分です。

というのは、
彼ら彼女らは、大変に怖がりで、自分の怒り感情さえ怖く、滅多に怒ることはないのですが、そして、人に攻撃を仕掛けることは基本ないのですが、いったん彼ら彼女らを怒らせると、それはそれは、大変に怖い場面が出現してしまいかねません。

そう、末っ子タイプは、怖がりなので、自分の怒り感情さえも怖く、自分が怒った時に、その怒り感情を上手くコントロールできなくなってしまうからです。

お母さんタイプは、怒っている時でも、よほど自分の命を狙われない限りは、いつもどこか少しは余裕があります。そう、怒っている時でも、相手を見て、手加減することが出来るのです。

けれど、末っ子タイプは、いったん怒ると、命を狙われているわけでもないのに、全く余裕がなくなってしまいます。それで、相手に手加減することが一切出来ません。よって、ときに、そこまでやらなくてもいいのに…というほど、残虐なことをしでかします。

お母さんタイプは、子どもを叱るのが、得意で上手です。
子どもが、しっかり反省の意を示したら、怒るのをやめることが出来ます。
いっぽう、末っ子タイプは、子どもを叱るのが、苦手で下手です。
それで、末っ子タイプは、子どもを叱るという行為を自分で避けようとすることが多いのですが、いったん怒り出したら、自分自身が怒り感情の渦に巻き込まれてしまい、訳わからなくなってしまうのです。
怒り感情をコントロールできなくなってしまった末っ子タイプは、子どもが、しっかり反省の意を示しても、ネチネチ怒り続けたり、ときに暴発的に手を出したりします。

お母さんタイプは、自分の子どもが悪いことをしたら、しっかり叱ることが出来ますが、末っ子タイプは、自分の子どもが悪いことをしたら、突然キレるか、自分の子どもと本気で喧嘩するかしか、出来ない…ということが多いです。

この記事をご覧の末っ子タイプ(エニアグラムでいうところのタイプ4)の方は、今、私が言ったことに、心当たりがあるのではないでしょうか?

ハッキリ申し上げて、「自分は怒るのが下手だ。よう怒ることが出来ない。怒り感情を上手くコントロールすることが出来ない。いったん怒ってしまったら、自分でも何をしでかすかわからない」とおっしゃる人は、末っ子タイプである可能性が高いです。

以前、もう数十年も前のことですが、あるニュースが新聞に掲載されました。それは、いじめられっ子の中学校の生徒が、いじめっこの生徒を、後ろから鉄のハンマーで殴り、相手が倒れて動かなくなったにも関わらず、執拗に後頭部をハンマーで殴り続け、殺してしまった…という事件です。

私が思うに、その同級生を殺した生徒は、末っ子タイプだったのではないかと思います。相手が動かなくなっているにも関わらず、無我夢中で、そして報復を恐れて、いつまでも殴り続けたのは、いかにもキレてしまった末っ子タイプがやりそうなことです。

私は、昔、ある人から、「喧嘩をするのなら、いかにも強そうな奴とやれ」と教わったことがあります。その心は、「本当に喧嘩の強い奴は、上手に自分を負かしてくれるから…」とのことです。「間違っても、弱そうな奴と喧嘩するな。そんなことをすると、相手は自分を殺すまで、攻撃をやめないだろう…」とのことです。

末っ子タイプ(エニアグラムでいうところのタイプ4)は、決して攻撃タイプではありません。わかりやすい防衛タイプです。でも、末っ子タイプは、攻撃されて、ある一線を越えると、過剰防衛型となり、非常に残虐な攻撃をし始めます。そしてその行為は、末っ子タイプ自身にも制御不能になっています。

気が弱そうだからと言って、実際に気が弱いからと言って、けっして怒らせてはいけないのが末っ子タイプです。末っ子タイプは、滅多に怒らない、だからこそ、怒らせると怖いのです。

すぐに泣く。そして、泣いてから強い…というのが末っ子タイプの特徴です。
末っ子タイプの怒り方は、「窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ)」の諺(ことわざ)通り、追い詰められたネズミが、我を忘れて、反撃という形で、自分よりも大きくて強いネコを噛む…、という感じです。

そして私は、この記事をお読みの末っ子タイプの方に伝えたいことがあります。
あなたは、1度ぐらい「怒りを溜めて爆発させるのではなく、小刻みに怒りを放出しろ」と言われたことがあるかと思うのですが、そんな器用なこと出来るのなら、最初から苦労はしません。
そうじゃなく私は、末っ子タイプの方には、「自分を怒らせるような無神経な人には、なるべく近付かないようにしてください」と伝えたいと思います。

エニアグラムで迷子になった方、
自分が何タイプか? 知りたい方は、
どうぞお近くのキャラ診断アドバイザーをお訪ねください。

今日も最後までお読みくださって、どうもありがとうございます。
心から感謝申し上げます。

      この記事を書いた人は、心理カウンセラー(公認心理師)の竹内成彦です。

心理カウンセラー(公認心理師)

1960年、愛知県名古屋市で生まれ育つ。1997年06月、地元愛知でプロのカウンセラーとして独立開業を果たす。カウンセリングルーム「心の相談室with」名古屋 の室長。臨床歴25年、臨床数15,000件を超える。講演・研修回数は800回、聴講者は10万人を超える。【上手に「自分の気持ち」を出す方法】など、電子書籍を含め、20数冊の本を出版している。カウンセリング講座などを開催し、カウンセラーを育てることにも精力を尽くしている。

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