オートバイのあれこれ『ハスラーと言えば…オートバイ!?』
![](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01644051/title-1706080830737.jpeg?exp=10800)
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今宵は『ハスラーと言えば…オートバイ!?』をテーマにお話ししようと思います。
皆さんは、スズキの『ハスラー』をご存知でしょうか。
今の世の中にこの質問を投げかけると、こちらを思い浮かべる人がおそらくは大半でしょう。
![▲「スズキのハスラー」と聞くと、一般的にはコレ(画像提供元:スズキ)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01644051/image-1706080896861.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
軽自動車の『ハスラー』。
しかし、ここでピックアップするハスラーはクルマではありません。
オートバイのほうのハスラーです!
スズキは1969年(昭和44年)にオフロードモデル(トレールモデル)の『ハスラー250』をリリースして以降、70年代にかけてハスラーシリーズを展開していました。
今回はそのシリーズの最大排気量モデル『ハスラー400』をご紹介。
![▲“バイクのほうの”ハスラー。『ハスラー400』(1972/画像提供元:スズキ)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01644051/image-1706080956672.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
ハスラー400は、1971年のモトクロス世界選手権にて世界チャンピオンを獲得したスズキのワークスレーサー『RN71』をベースに開発されており、シリーズ最高峰モデルらしくスペックの高さがウリでした。
![▲スズキのチャンピオンマシン『RN71』(画像提供元:スズキ)](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01644051/image-1706081562402.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
特にエンジンパフォーマンスが当時としては驚異的で、排気量396ccの空冷2ストローク単気筒エンジンは34psを発揮。
1970年前後の頃はまだ、冷却の観点から「2ストで大排気量化は難しい」と言われていましたが、スズキはオートバイもクルマも2スト専門を貫き、68年には市販車として史上初の大型2ストマシン『T500』を完成させるなど、2スト開発のノウハウが豊富に蓄積されていたことから、このハスラーの2ストビッグシングルエンジンを作り上げることができたのでした。
![▲史上初の2ストビッグバイク『T500』。スズキは2ストが得意だった](https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/dk/expert-image/rotti/article/01644051/image-1706081115180.jpeg?fill=1&fc=fff&exp=10800)
ハスラーのエンジンはそのピークパワーが注目されがちですが、実際に走らせると低い回転数からしっかりとトルクが出てくる特性で、発進加速もかなり鋭かったと言われています。
調べてみると、「静止状態からの加速ならホンダのCB750FOURより速い」という評価もあったようですね。
たしかに、ハスラーはオフロードバイクということもあって車重がCBより80kg以上も軽かったですから、加速性や俊敏性はハスラーのほうが一枚上手だったというのは間違いではないでしょう。