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シーズン初出場から「11試合で8本塁打」は1900年以降4人目。過去の3人はその年に何本打ったのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリストファー・モレル(シカゴ・カブス)May 19, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月8日に昇格したクリストファー・モレル(シカゴ・カブス)は、翌日のシーズン初出場から、11試合で8本のホームランを打っている。各試合の本数は、1本、0本、1本、0本、1本、1本、0本、1本、1本、1本、1本。打率と出塁率は.370と.396だ。

 12試合目は、5月23日。「5番・DH」として、出場が予定されている。

 昨シーズンは、5月17日にメジャーデビューし、センターに加え、一塁を除く内野の3ポジションでも、それぞれ10試合以上に先発出場。113試合で16本塁打、打率.235と出塁率.308を記録した。今シーズンの昇格前は、AAAの29試合で11本塁打、打率.330と出塁率.425だった。

 昨シーズンの場合、初出場と4試合目にホームランを1本ずつ打っているので、シーズン最初の4試合で2本塁打は、2シーズン続けて同じだ。ただ、昨シーズン、3本目のホームランを打ったのは、出場21試合目だった。

 MLB.comのサラ・ラングスによると、1900年以降、シーズン最初の11試合で8本塁打以上は、1976年に9本のマイク・シュミット、2001年に9本のルイス・ゴンザレス、2019年に8本のアリスティデス・アキーノ(当時シンシナティ・レッズ/現・中日ドラゴンズ)に続き、今シーズンのモレルが4人目だという。

 シュミットとゴンゾは、開幕から11試合だ。2人とも、11試合目はホームランがなかった。シーズン最初の10試合で9本塁打、ということだ。3人目のアキーノは、8月1日からの11試合。それまではAAAにいて、78試合で28本のホームランを打っていた。

 この年、シュミットは38本塁打を記録し、3年連続3度目の本塁打王を獲得した。ゴンゾは、57本塁打ながら、リーグ3位。上には、73本のバリー・ボンズと64本のサミー・ソーサがいた。アキーノは、56試合で19本塁打。ちなみに、シュミットとゴンゾが56試合に出場した時点のホームランは、それぞれ、16本と21本だった。

 シュミットは、フィラデルフィア・フィリーズ一筋に18シーズンを過ごし、通算548本塁打を記録した。本塁打王は8度を数え、資格初年度に殿堂入りしている。ゴンゾの通算本塁打も、19シーズンで354本と少なくはない。ただ、30本塁打以上のシーズンは、2000年(31本)と2001年(57本)の2度しかなかった。こちらは、ヒューストン・アストロズやアリゾナ・ダイヤモンドバックスなど、6チームでプレーした。通算本塁打の63.3%に当たる224本は、1999~2006年のダイヤモンドバックス時代に記録している。アキーノは、2018~22年にレッズで244試合に出場し、41本のホームランを打った。

 なお、アキーノについては、昨年11月にこちらで書いた。

「中日に入団するアキーノは、長距離砲なのか大型扇風機なのか。それとも両方!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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