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中日に入団するアキーノは、長距離砲なのか大型扇風機なのか。それとも両方!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アリスティーディス・アキーノ Sep 13, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズン、アリスティーディス・アキーノは、日本プロ野球でプレーする。中日ドラゴンズとの契約を最初に報じたのは、MLB.comのジョン・モロシだ。続いて、Z101デジタルのヘクター・ゴメスが、1年120万ドルに30万ドルの出来高がつくと伝えた。ゴメスのツイートには、契約書らしき書類にサインするアキーノの写真もアップされている。

 アキーノは、ドミニカンの外野手だ。来年4月に29歳となる。今オフにノンテンダー(契約解除)とされるまでは、シンシナティ・レッズに在籍していた。メジャーリーグでは、通算244試合(2018~22年)に出場し、打率.211と出塁率.285、41本塁打、OPS.719。その下のAAAでは、通算106試合(2019年と2021~22年)で、打率.300と出塁率.374、37本塁打、OPS1.018を記録している。

 3年前、AAAで開幕を迎えたアキーノは、78試合で28本のホームランを打ち、8月以降はメジャーリーグの56試合で19本塁打を記録した。それぞれのペースは、10.5打数/本と10.8打数/本だった。

 一方、ここ2シーズンは、メジャーリーグで84試合と80試合に出場し、ホームランはどちらも10本ずつ。ペースは、17.4打数/本と25.9打数/本だ。

 また、2019年の三振率は、AAAで25.1%、メジャーリーグで26.7%だったのに対し、ここ2シーズンのメジャーリーグでは、そこから約10%上昇している。2021年が36.8%、2022年は36.6%だ。

 ホームランを量産した2019年のメジャーリーグも、月ごとに分けると、大きな違いがある。8月の29試合は14本塁打(7.4打数/本)と三振率22.6%、9月の27試合は5本塁打(20.4打数/本)と三振率30.9%だ。メジャーリーグの投手たちに弱点を見抜かれ、「アジャスト」されたように見える。

 パワーを発揮すれば、三振の多さには目を瞑ることもできよう。アキーノは、肩も強い。だが、バットに当たらなければ、パワーも発揮できない。スタットキャストのここ2シーズンのデータを見る限り、特にスライダーとチェンジアップに手こずっているようだ。

 ちなみに、今シーズンの三振率36.6%は、250打席以上の317人のなかで5番目に高い。ケストン・ヒウラ(ミルウォーキー・ブルワーズ)の41.7%、ジョーイ・ギャロ(現FA)の39.8%、ジョーイ・バート(サンフランシスコ・ジャイアンツ)の38.5%、ジョー・アデル(ロサンゼルス・エンジェルス)の37.5%に次ぐ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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