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DXに対応した機能的なマネジメントの手順書 ~「KPIマネジメント」をレシピにたとえる勇気~

横山信弘経営コラムニスト
(写真:PantherMedia/イメージマート)

■ 機能的なマネジメントを考える

現在、営業の現場でSFA/CRMが普及している。営業にもDXが推進され、飛躍的に営業生産性をアップさせている企業が増えているのだ。私も「営業DX」に関する講演依頼や取材をよく受ける。

しかしいっぽうで、DXに及び腰の企業も少なくない。とくに多くの経営者は後ろ向きだ。これまで何度もIT武装を試みてきたが、営業の生産性が高まった記憶がないからだろう。

顧客や商談情報を都度入力する手間が大きく、投資に見合った効果がみられない。そのせいで、志なかばで断念する営業組織も少なくない。

人を介さずに自動化できるのならともかく、結局人の意識や行動を変えない限りDXの恩恵を受けられない。それなら、デジタル化しても意味がない。DXに後ろ向きな経営者は、だいたいそのように考えている。

しかし冒頭に記したとおり、営業DXによって劇的に生産性を上げている企業は多く存在する。業種や業界、会社の規模に関係なくである。それでは、何が異なるのか。

私は機能的なマネジメントが現在できているかどうかが、DXの成否を決めると考えている。

■KGI、KSF、KPIを決めてマネジメントすればいい

現場に入ってコンサルティングしていると気づく。ほとんどの組織マネジャーはシンプルなことを難しく考えすぎているということを。マネジメントが機能的ではないのはそれが理由だ。

組織ごとにマネジメントルールや方針が異なり、リーダーの情緒的な采配でマネジメントしている。そんな組織でデジタル化を進めてしまうと、確実に混乱が起こる。経営者が躊躇するのもよくわかる。

だからDXを推進するのであれば、その機会にマネジメントを機能的にすることだ。誰がマネジメントしても機能するように、シンプルに設計する。後述するが、料理のレシピのように簡単にするのだ。

ただ、そのためにまずすべきは勇気を持つことだ。複雑だと思い込んでいることをシンプルにするという勇気。これまで大切だと思い込んでいた概念や価値観を捨てて、現在の変革期に対処する覚悟を持とう。

マネジメントをシンプルにするためには、KPIマネジメントが基本だ。KGI、KSF(CSF)、KPIを統一ルールとして設定する。こうすることで、マネジメントする側がラクになるし、マネジメントされる側の負担も大きく減る。DXの土台が出来上がる。後ろ向きだった経営者も組織変革をポジティブに捉えるだろう。

KPIマネジメントをするメリットは、大きく分けて以下の2つ。

・できる人とできない人との差が縮まる

・マネジャーになりたがらない人が減る

とりわけ、マネジャーに昇進したくない若者が増えている現代、マネジメントを機能的にする意義は大きいと言える。

■ KGI、KSF、KPIとは何か?

それではKPIマネジメントとは何か。わかりやすく解説する。KGI、KSF、KPIの用語から整理していこう。

KGI(Key Goal Indicator)とは「重要目標達成指標」のこと。最終目標が達成されているかどうかを計測する指標をさす。

KSF(Key Success Factor)で「重要目標達成要素」のこと。目標を達成させるために必要な要因をさす。

KPI(Key Performance Indicator)とは「重要目標評価指標」のこと。目標をどのくらい達成しているのか、どれくらい進捗しているのかといったプロセスを計測する指標をさす。

馴染みがない人にとっては、英語3文字でも、日本語に訳されても、分かりづらいネーミングである。すぐに覚えられないし、意味も想起しづらい。そこで、料理にたとえて表現してみたい。

■もっとわかりやすく解説する(料理のレシピにたとえる)

1)KGI

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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