オンライン時代に不可欠な「言語力」と「ネーミング」の3原則
■なぜ言語力が必要なのか?
言葉の力が、これほど高まった時代が過去にあっただろうか?
コミュニケーションにおいて、言語(バーバル)と非言語(ノンバーバル)では、当然のことながら非言語コミュニケーションのほうが重要とされてきた。人間が、他者の言葉をどれぐらい正確に認知しているか。実験してみればいい。
上司が部下に対して言った言葉、その逆もしかり。どれぐらい認知されているか。営業がお客様に伝えた言葉ならどうか。
「当社が扱っている商品はコチラ。3つアピールポイントがありまして……」
と丁寧に伝えたとしても、どれぐらい認知され、覚えてもらえるか。
それよりも記憶に残るのは、
「あの人の情熱は凄かった」
「なんだか自信なさそうに話していた記憶がある」
「うまく言えないけど、なんか興味持てなかった」
という印象だ。つまり非言語のほうなのである。
ところがオンライン時代となり、その人が持つオーラというか空気感みたいなものが伝わりづらくなった。
会議中、どんよりと暗い雰囲気になれば、誰もが察する。しかしオンライン会議では、そんな雰囲気など伝わらない。
「言わなくても、わかるよね?」
という同町圧力は使えないし、拙著『空気で人を動かす』『空気でお客様を動かす』でも紹介した集団同調性バイアスも使いづらい。つまり、曖昧な表現、抽象的な物言いでは伝わらなくなっている。
だから非言語に頼ってきた営業は、リモート営業を嫌がる。
「Zoomで商談してもうまく伝わらない」
「相手の反応がわかりづらい」
と主張する。こういう人たちは、これまで非言語に頼り過ぎていた、ということなのだ。言語を使って正しく伝えること、ミスコミュニケーションが起きていないか確認すること。その習慣が乏しいのだ。
コンテンツマーケティングの観点からも、言語力は問われる。オンライン時代に入り、個人で情報発信して見込み客を増やす取り組みは、今後ますます広がる。オウンドメディアも全盛期の時代に入った。
(※オウンドメディア:WEBサイトやSNS、メルマガ等、企業みずからが所有し、情報発信するメディア。広告など費用を支払って活用するペイドメディアの対義語)
広告代理店に頼むのではなく、自社でマーケティング活動をおこなっていくために、当然言語力は鍛えなければならない。
それでは、言語力を鍛えるとは、どういうことなのか? 広告のコピーライターになるわけではない。要求されるレベル感について考えてみたい。
※今回は、7000字を超える大作記事である。短いフレーズで効率よく相手をリードするために不可欠な知識。ぜひ最後まで読んでもらいたい。
<目次>
1.なぜ言語力が必要なのか?
2.いい言葉とは? を考えてみる
3.問題を発見させる言語力 ~空白の原則~
4.解決策を記憶させる言語力 ~焦点化の原則~
5.なぜ6回繰り返すのか?
6.ネーミングでインパクトを作る
7.ネーミングの3原則
8.固有名詞化する
9.文字数は(4~6文字)に
10.破裂音+鼻音+促音を組み合わせる
■いい言葉とは? を考えてみる
私は以下の2つの切り口が重要だと考えている。
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