【速報】デトネーションエンジンの打ち上げ成功、観測ロケットが次世代の革新的エンジンを打ち上げ
11月14日、JAXA内之浦宇宙空間観測所より、デトネーションエンジンを搭載した観測ロケット「S-520 34号機」が打ち上げられました。本記事では、打ち上げの詳細情報と、デトネーションエンジンやエアロシェルの概要をご説明します。
■8月に発生した震度6弱の地震による延期を受け、本日打ち上げ
2024年11月14日(木)、鹿児島県のJAXA内之浦宇宙空間観測所で観測ロケット「S-520-34号機」の打ち上げが行われました。
今回の打ち上げは、H3やイプシロンなどの実用衛星を打ち上げるロケットとは異なり、宇宙に到達した後に様々な観測や実験を行うことを目的としています。搭載されている実験機器は、ロケットエンジンに変わる画期的な推進装置と期待されている「デトネーションエンジン」です。デトネーションエンジンが作動中に撮影したデジタル画像データは、「エアロシェル」により大気圏突入後に海上で回収される予定となっています。
■次世代の革新的な推進装置として期待されている「デトネーションエンジン」
デトネーションエンジンは、火炎の速度が音速を超える爆発的な燃焼現象「爆轟」を利用しています。通常のロケットは素早く燃焼する「爆発」を利用していますが、「爆轟」になると音速を超える衝撃波を生み出します。
例えば、2020年に起きたレバノン・ベイルートの爆発事故では、港の倉庫に保管されていた硝酸アンモニウムの500トンが爆発し、離れた物を吹き飛ばしたり、建物のガラスを割る衝撃波を起こすなどの被害がありました。
このような衝撃波を推進力とすることで、小型軽量、かつ既存のロケットよりも低価格で安く打ち上げを行うことができるのです。
■地球大気圏に再突入し、貴重なデータを届ける「エアロシェル」
今回の打ち上げでは、デトネーションエンジン以外にもエアロシェル「RATS2」が搭載されています。その役目は、トネーションエンジンの実験データを収集です。エンジン作動中に撮影したデジタル画像データを持って、地球大気圏へ再突入し、海上に落下する予定となっています。無事に回収され、貴重なデータが手に入ると良いですね。ちなみに、エアロシェルによる観測ロケットの実験データ収集は、今後定常的に運用されていく見通しとのことです。
皆さんで観測ロケットの成功を見守りましょう。
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