さようなら回数券 JRで紙の回数券発行終了へ(Suicaで回数券みたいに得する方法教えます)
※9/29修正 JR北海道も11月末で紙の回数券が終了するとご指摘をいただきました。鉄道ファンの助言ありがとうございます。
2022年9月末、JRで「紙の回数券」終了へ
今年の9月末、JR東日本でひとつの時代が終わろうとしています。「紙の回数券」発行終了です。
紙の回数券といえば、10枚のお値段で11枚発券されることで簡単に1割引を手に入れられる仕組みです。定期券はお得になるものの、月20往復くらいしないといけないので、時々使うような利用で、簡単に得をする便利な方法として回数券が役立ちました。
ところが、JR東日本は9月末での回数券発行終了をアナウンスしたのです。JR東海、JR四国も同様とのこと。
実はJR西日本はICOCAエリアでの紙の回数券を廃止済み(2021年9月)、JR九州でも廃止済み(2021年9月)となっており、JRで紙の回数券が残るのは北海道だけになります。
その北海道も11月末での終了を案内しており、JRは今年中に紙の回数券発行が終了することになります。(なお、身体障害者割引、知的障害者割引、通学用割引の回数券については、10月以降も引き続き販売されるそうです)
「テレワークで出社日減ったので定期券止めていたから、回数券は助かってたのに!というような悲鳴が一部から聞こえていますが、実は「Suicaに回数券のような機能」があるのをご存じでしょうか。
2022年4月 JR東日本 おしらせ
ねとらぼ JR西日本が普通回数券の販売を9月末に終了 JRの回数券はJR北海道のみに
2022年7月 JR北海道 普通回数乗車券の販売終了について
実はSuica、回数券のような機能がついている
2021年3月からスタートしている「リピートポイントサービス」というのが実は「回数券みたいな機能」となっています。
まず、「同一運賃区間の利用、同一月内に10回」を達成すると、運賃1回分相当のJREポイントが還元されます。これで実質的に「10回分の値段で11回分乗れる」ということになります。
また、これ以上「月11回以上の利用、1回ごと」に運賃の10%相当のJREポイントが還元されます。同一月内であれば11回目以降は毎回割引になる、ということです。
このサービスの面白いところは「同一運賃区間」という考え方で、JR東日本のホームページでは
と説明しています。つまり、料金が同じであればどこで乗ってどこで降りてもカウントしてもらえるということになります。もちろん定期券範囲内はカウントされません。
注意したいのは「JREポイント」の登録・連携をしておくことです。直接Suicaに貯まるわけではないので、しっかり手続きをしておきましょう。
ちなみにJREポイントに貯まった分については、切符として使う義務はありません。Suicaにチャージし直して電車に乗ってもよし、コンビニで使ってもかまいません。アトレなどの駅ビルではポイント利用もできますので、コーヒーを飲んだり雑貨を買ったりするような利用もできます。かなりお得ですね。
2020年10月 JR東日本 プレスリリース
JREポイント 登録したSuicaで鉄道に乗って貯める
JR西日本のICOCAでは、「利用回数ポイント」という仕組みがありICOCAポイント(要登録)がたまります。ルールは「1カ月間(1日~末日)の同一運賃区間の11回目以降のご利用1回ごとに、運賃の15%のポイントが貯まります。」としています。
こちらの場合は、10回目までの利用については還元がありませんが、それ以降の還元率はSuicaより高いという設定です。
JRおでかけネット(JR西日本)ICOCAポイントを貯める!
首都圏私鉄の一部、東京メトロや都営地下鉄は当面回数券存続
ところで、首都圏の私鉄や地下鉄はどうなのでしょうか。実は廃止や見直しをするところと、現状維持のところがあるようです。
東武鉄道は2021年9月末で紙の回数券を廃止し、トブポマイルというポイントを「おでかけマイル」「リピートマイル」という形で付与しています。
東武鉄道 回数券の発売終了・利用終了のお知らせ
東武鉄道 トブポマイル
小田急も2022年7月末に紙の回数券を廃止しました。こちらもPASMOをONE(オーネ)に登録・連携すると「小田急おでかけポイント」というポイントが貯まります。利用回数によって還元率が高くなる仕組みです。
小田急電鉄 「小田急チケット10」の発売終了について
小田急電鉄 小田急おでかけポイント
都内の地下鉄は東京メトロと都営地下鉄がありますが、今のところ回数券を廃止するプレスリリースはないようです(執筆時点)。他の私鉄も同様です。
関西では京阪、西鉄がすでに回数券を廃止しているようですが、私鉄各社がまだ取り組みを揃えていないところ、JRの動きにどう応じていくかが今後の注目点となりそうです。
個人の利用シーンで考えたとき、便利さでいえば、ICカードの乗車が勝ります。最近ではICカードの利用料金が小刻みに設定されていたり十円単位での切符価格設定よりICカードがお得なこともあります。
子どもの習い事のために紙の回数券を使うようなシーンも子ども向けのSuicaやPASMOがあれば対応できます。
紙の回数券が徐々に切り替わっていく流れは、ちょっとさみしいものがありますが、今後も「便利とお得」をバランスよく使っていきたいところです。