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【更新】 iDeCo限度額引き上げは実現するか いくら上がるか #専門家のまとめ

山崎俊輔フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP
iDeCoの限度額引き上げ機運が高まっている(写真:イメージマート)

iDeCo(個人型確定拠出年金)の限度額引き上げの議論が注目されています。資産所得倍増プラン最後のピースは実現するのでしょうか。12月半ばに公表される税制改正大綱を控えた議論の流れをまとめてみます。

ココがポイント

iDeCoの上限額は職種によって異なるため、ご自身の上限額を確認したうえで生活状況なども考慮し、総合的に拠出額を決めることが大切です。
出典:りそな銀行 配信日2024/12/2(日)

iDeCoの現状の限度額は月20000~68000円と、新NISAと比べると少ないのが現状です。新NISAは年間最大360万円ですから大きな違いがあります。

第二の柱:加入可能年齢の引上げなどiDeCo制度の改革(略)
2.iDeCo の拠出限度額の引上げ及び受給開始年齢の上限の引上げ
出典:内閣官房 配信日:2022/11/28(月)

岸田内閣の掲げた資産所得倍増プランではNISAと並び、iDeCoの改革を掲げていました(NISAに続く第2の柱と位置づけ)。

岸田文雄前首相が会長を務める自民党の資産運用立国を進める議員連盟は26日、「iDeCo(イデコ)」など確定拠出年金の大幅拡充などを求めた緊急提言を石破茂首相に提出した。

同提言では、自営業など基礎年金だけを受給する第1号被保険者の拠出額上限を現在の月6万8000円から同20万円に、会社員で企業型確定拠出年金(DC)を併用する場合は、現在の月5万5000円から同10万円に引き上げる。
出典:ブルームバーグ 配信日:2024/11/26(火)

11月26日、岸田前首相も会長として名を連ねる自民党の議員連盟が具体的な金額を示した提言を行い、大幅な拡充案を示している。

(12/11追加) new! 7000円の引き上げで検討と報道。

企業年金に加入している会社員の場合、イデコと年金の掛け金合計を月7000円引き上げる方向で調整する。
出典:時事通信 配信日:2024/12/11(水)

エキスパートの補足・見解

例年ですと12月中旬に税制改正大綱が示されますが、iDeCoの拠出額上限についてどれくらいの引き上げが実現するのかが注目されています。議員連盟の提出した金額に満額回答となれば相当の引き上げとなります。厚生労働省がここまで積み重ねてきた引き上げ要望を大きく上回ることになります。

iDeCoの限度額引き上げは、まずiDeCo加入者にとってメリットがあります。老後資産形成においては「お金を出せるときにたくさん積みたい」という要望があっても限度額が制限となっていましたが、積立の自由度を増し、また総枠としての積立可能額も増額されることになります。

もうひとつ、iDeCoだけではなく企業年金全体での使い勝手の改善にもつながります。「確定給付企業年金掛金+企業型の確定拠出年金掛金+iDeCo掛金」の総枠で月55000円という制約がありますが、これは企業年金を充実させる会社とそこに勤める会社員の制限となっており、上限引き上げで資産形成の自由度が高まるでしょう。

いくらの引き上げが実現するのか(あるいはしないのか)、税制改正大綱が注目されるところです。

フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP

フィナンシャル・ウィズダム代表。お金と幸せについてまじめに考えるファイナンシャル・プランナー。「お金の知恵」を持つことが個人を守る力になると考え、投資教育家/年金教育家として執筆・講演を行っている。日経新聞電子版にて「人生を変えるマネーハック」を好評連載中のほかPRESIDENTオンライン、東洋経済オンラインなどWEB連載は14本。近著に「『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」「共働き夫婦お金の教科書」がある。Youtube「シャープなこんにゃくチャンネル」 https://www.youtube.com/@FPyam

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