メリークリスマス!年末調整の還付金で寄付してみませんか(実は約4割がキャッシュバックされます)
(目次)
- 12月は寄付をしてみてはいかが?
- 年末調整のお金を寄付に回すなら実質負担ゼロ?
- 自分が応援したい団体に寄付をすることで幸福度が上がる?
- 寄付金の約4割は国からキャッシュバック?
12月は寄付をしてみてはいかが?
12月になると、私は寄付に関する記事を各所に寄稿しています。執筆テーマが自由に決められる場合、意識的にそうしているのですが、その理由は「12月は寄付をするのにふさわしい月」だと思うからです。
12月といえばクリスマスがあり、年末年始のお休みがあります。忘年会や新年会で交遊を温めたり、クリスマスパーティに呼ばれたりすると、友人や同僚の元気な姿をみては幸福な気持ちになります。ある調査では、誰か近しい人の幸せを聞かされるのも自身の幸福度を上げる効果があるそうです。
こういう時期は寄付を考えてもいい気持ちになります。世の中の苦労している人や恵まれない立場にある人をちょっと支えてあげることは、自分が幸せに日々を過ごしていることへの感謝にも通じます。寄付をする人のほうが幸福度が高いという調査もあります。
……難しいことを言いましたが「クリスマスの雰囲気は寄付をする雰囲気になる」「年末に、幸せのお裾分けをするイメージがある」ということです。年末は募金活動が活発なのもそうした理由でしょう。
一方で、「寄付をするお金ないよ」という人もいます。そんな人にも12月が寄付に最適です。なぜならちょうどいい資金が会社から入金されるからです。
年末調整のお金を寄付に回すなら実質負担ゼロ?
会社員にとって12月はボーナスが振り込まれますが、それだけでなくもうひとつの「入金」があります。それは年末調整の還付金です。
会社員の場合、毎月の給与から自動的に所得税が引かれていますが(源泉徴収)、これを年末に精算、取り過ぎている分を還付します。年末調整です。
人事・総務部などから「年末調整の書類を出してください」とお知らせがきて、加入している生命保険やiDeCoの掛金、家族の扶養状況などを記入、提出していると思います。
年末調整は、取り過ぎた税金の返金ですから、自分のお金ではありますが、給与や賞与と比べると「ラッキーなおこづかい」の感覚があります。「還付がほとんどないと思っていたら、結構戻った!ラッキー!」という感じです。
だとすれば、寄付に回してもあまり家計のやりくりには影響が出ません。毎月のやりくりや給与から、臨時出費や大型出費はボーナスからやりくりがほぼ確定していますから、寄付に回す予算がなくても、年末調整の還付金から寄付の予算にあてられる、というわけです。
さて、還付金を使って寄付を「1000円以上」のお札の単位で考えてみるのはいかがでしょうか。
自分が応援したい団体に寄付をすることで幸福度が上がる?
ファイナンシャル・ウェルビーイングという言葉が注目されています。お金の不安を解消し、お金と上手に付き合うことで現在と未来の不安を解消、幸福な人生を選択できることですが、寄付はその一部といえます。
寄付は純粋に「出金」「支出」ですが、そこから「幸福感」を手に入れます。利他的な行動をときどきすることで、私たちはウェルビーイングが高まるのです。そう考えれば、寄付は純粋なマイナスではありません。
還付金で寄付をする場合、数千円から数万円の予算がありますから、「どこに寄付をするか」もじっくり考えてみましょう。自分で決められる、つまり自己決定権があるというのはウェルビーイング的にもプラスです。
自分が寄付をしてみたい団体、活動を応援したい団体を探してみましょう。たとえば下記のYahoo!ネット募金のページではたくさんの団体が紹介されています。
Yahoo!ネット募金 https://donation.yahoo.co.jp/
※後述の寄付金控除を活用する場合、「寄付金控除」で検索して絞り込むとよい。クレカで払った場合など、領収証が年内の日付でもらえるか確認をすること。
寄付金の約4割は国からキャッシュバック?
ところで、活動が認められている団体については、寄付金は国の寄付金控除の対象となります。団体のWEBに寄付金控除の案内があれば、対象となっていることを示しています。
この寄付金控除、実は税額控除が大きく、だいたい4割の寄付金額はキャッシュバックされてくるしくみです。税額控除の場合、
(寄付金額-2000円)×0.4=還付金額
となります。10000円を寄付した場合、税金が3200円戻ってくることになる計算です。正味、6800円で10000円の寄付をできるわけです。
確定申告の手続きが必要になりますが、作業はとても簡単です。確定申告シーズンになると国税庁の確定申告ホームページがオープンしますので、年末調整の書類(令和6年源泉徴収票)の数字を入力、寄付金額を入力すれば、自動計算で還付金額が表示されます。
最終的にPDFが出力されますので、そのまま印刷、ポストに投函すればOKです。税務署に持参しなくても受付は成立します。
寄付するお金は年末調整で戻ってきたお金を使い、数カ月後にはその4割くらい戻ってくると考えたら、お得感ありませんか? これもちょっとウェルビーイングにプラスだと思います。
ただし「年内に寄付」が条件です。来年の確定申告の対象範囲は今年の12月末までだからです(クレカ経由の場合、1月の領収証になることもあるのでご確認を。銀行振込が確実です)。
――さて、このコラムが掲載されるのはクリスマスです。家族や友人と幸せな時間を過ごすだけでなく、ちょっとだけ寄付を考え、幸せのお裾分けをしてみるのはいかがでしょうか。