その名もまさに「秀吉出世大福」名古屋の餅菓子店からは秋限定の大粒の栗が包まれた大福が販売中です
愛知県名古屋市にお店を構える「山田餅本店」さん。名古屋名物のひとつ、サツマイモの角切りがたっぷりの鬼まんじゅうをはじめ、草餅や豆大福、おはぎといった定番の和菓子から、苺大福などの季節限定朝生菓子を求めて地元のみならず県境を跨いで買い求めにやってくるファンも多数の人気店です。
餅店、というだけありまして、特徴のひとつはなんといっても美味しいお餅。毎朝しっかりと蒸しあげた糯米を搗き上げ、その日限りの美味しさを様々な姿形、味わいで販売なさっているというだけあり素朴で毎日でも食べたくなるようなお菓子が勢ぞろい。
その中から今回は秋限定の「秀吉出世大福」をご紹介。
秋と秀吉がどう結びつくのか?首を傾げる方も沢山いらっしゃることかと思います。
まずは栗。秋の味覚の栗は勝ち栗という異名を持ち、勝負運や仕事運上昇を司る食べ物ともいわれています。縁起物がたっぷりと詰まったおせち料理にも栗きんとんが欠かせませんよね。そして秀吉。こちらは勿論、名古屋市出身の豊臣秀吉のこと。農民から天下人へと上り詰め、今もなお憧れの存在ランキング等にその名を轟かせる偉人です。
彼の出世街道を栗とあわせたことで生まれたこちらの焼き印の大福なのですが、一見するとどこか女性らしいようななだらかなラインを描いているようにも思います。腰高でふっくらとした球体、とはやや異なりますね。ギャップというやつでしょうか。
意外と力強いコシながらも、ムチンと心地よく切れた後は口の中で強かな甘味と旨味をにじませていきます。四隅の部分がややお餅の部分が厚めなのですが、そこを齧っても物足りないという印象は皆無。中にはやや柔らかく瑞々しさを残したままの粒餡と、黄金に輝く栗の甘露煮が一粒ごろりと。とろりとした粒餡はお餅とよく馴染み、栗の蜜煮は芯まで蜜がしっかりと染みているのにポリっとした歯応えを残した仕様。
素朴さと甘味が調和しているので、ボリューミーでも嚙みしめている間にあっという間に完食してしまった…なんてことも。
山田餅本店さんの御菓子は本店のほか、JR名古屋高島屋さんでも販売されることがあるとのことです。