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日本代表で活躍のディラン・ライリー、海外オファー来ても断る。本人明言。【ラグビー旬な一問一答】

向風見也ラグビーライター
李承信(右)に祝福されるライリー(写真:つのだよしお/アフロ)

 ラグビー日本代表は9月7日、埼玉・熊谷ラグビー場でのパシフィック・ネーションズカップの予選プール2戦目でアメリカ代表に41―24で勝った。

 プレイヤー・オブ・ザ・マッチに輝いたのはディラン・ライリー。アウトサイドセンターでフル出場した。

 身長187センチ、体重102キロの27歳は、2021年に代表デビュー。23年にはワールドカップフランス大会に出ている。

 この日は前半15分、スタンドオフの李承信のキックを追いかけ捕球。そのまま駆け上がり、防御を引き寄せてのバックフリップパスでインサイドセンターのニコラス・マクカランのトライをおぜん立てした。

 24-10とリードしていた後半5分には、自陣中盤左で球を受けるや加速。目の前のスペースを駆け上がりながら、カバーに入った相手を軽やかにかわした。そのまま独走トライを決め、スタンドを沸かせた。

 総じて強烈なタックル、突進も重ねた。

 試合後にはミックスゾーンに登場。まず現体制の謳う『超速ラグビー』について聞かれると…。

 以下、共同会見時の一問一答の一部(編集箇所あり)。

――ランが光ります。

「(現体制のコンセプトである)『超速ラグビー』をプレーするなか、より仕掛けて、相手にプレッシャーをかけ続けてゆくこと、よりボールをキープして動かすことにフォーカスしている」

――このチームの13番は、相手防御網の近くでファーストレシーバーとしてボールをもらうことも多いです。

「自分たちが速くプレーするなか、仕掛けないといけない展開が増えています。13 番の位置からの広い視野で内側を見ると、どこに穴があるかが見える。10、12番(スタンドオフ、インサイドセンター)としっかりコミュニケーションを取って、その穴を突く」

 会場が所属する埼玉パナソニックワイルドナイツの本拠地であること、19年の日本大会前にあった日本代表対南アフリカ代表戦を観戦したことがあることも感慨深げに語った。

――19年9月、この会場で代表戦を観戦していました。

「いま振り返ると、きょうプレーしたのと同じように、スタンドで大汗をかいていたのを思い出しました。スタンドとフィールドで比べたら、フィールドでプレーしたきょうのほうがよかった。ファンの前で試合ができて嬉しかったです」

 今年9年ぶりに復帰のエディー・ジョーンズヘッドコーチには、こう評されている。

「とてもいい形でゲームに貢献してくれています。スピードはウイングのウィンドのようですし、ストレングスはセンターのよう。(今後は)試合での活躍の場面を増やしていくことが重要です。自分としては、ライリーは世界で一番の 13番(アウトサイドセンター)になる自信があります」

 こうなると注視されるのは、この人の行く末だ。

 力と速さとうまさが際立つライリーは、海外クラブから注目されてもおかしくなさそうだ。

 そう問われると、本人はいまいるチームへの愛着を口にした。

――これだけいいプレーをすると、ヨーロッパのクラブからオファーされるかもしれません。海外でプレーしたい気持ちはありますか。

「自分のキャリアにおいて、いまいる環境は心地がいい。ここでワールドカップ(27年オーストラリア大会)に向けて、自分のキャリアをどんどん積み重ねたいと思っています」

――練習生時代から育ったワイルドナイツでプレーしたい、と。

「そうですね」

ラグビーライター

1982年、富山県生まれ。成城大学文芸学部芸術学科卒。2006年に独立し、おもにラグビーのリポートやコラムを「ラグビーマガジン」「ラグビーリパブリック」「FRIDAY DIGITAL」などに寄稿。ラグビー技術本の構成やトークイベントの企画・司会もおこなう。著書に『ジャパンのために 日本ラグビー9人の肖像』(論創社)『サンウルブズの挑戦 スーパーラグビー――闘う狼たちの記録』(双葉社)。共著に『ラグビー・エクスプレス イングランド経由日本行き』(双葉社)など。

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