大谷をトレードで放出せず、先発投手とリリーフ投手を獲得したエンジェルスは、さらなる補強を行うのか
ロサンゼルス・エンジェルスは、大谷翔平をトレードで放出せず、今秋のポストシーズン進出(と大谷との再契約)をめざす。
7月26日、エンジェルスは、AAでプレーしていた2人のマイナーリーガー、捕手のエドガー・クエロと先発投手のカイ・ブッシュをシカゴ・ホワイトソックスへ放出し、先発投手のルーカス・ジオリトとリリーフ投手のレイナルド・ロペスを獲得した。
大谷と同じく、ジオリトとロペスも、今オフにFAとなる。エンジェルスは、来シーズン以降のことは脇に置き、今シーズンに「オール・イン」し、すべてを賭けるということだ。ここから、8月1日のトレード・デッドラインまでに、さらなる補強を行う可能性もある。ジオリトとロペスを獲得した直後に、MLB.comのジョン・モロシは、エンジェルスがワシントン・ナショナルズとジェイマー・キャンデラリオのトレードについて話し合っている、と報じた。
キャンデラリオは、スイッチ・ヒッターの三塁手だ。一塁も守れる。こちらも、FAまで数ヵ月だ。今シーズンは、打率.256と出塁率.336、16本塁打と29二塁打を記録している。ホームランは2018年の19本が最多ながら、2021年は42本の二塁打を打った。この本数は、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)ら3人と並び、両リーグで最も多かった。
それほど大きな見返りでなくても、ナショナルズはキャンデラリオを手放すだろう。今秋、ナショナルズのポストシーズン進出は、まずあり得ない。また、キャンデラリオをこのまま保有した場合、クオリファイング・オファーを申し出るとは思えないので、何の見返りも得られない。
ちなみに、エンジェルスは大谷にクオリファイング・オファーを申し出る――大谷はそれを断る――だろうが、ジオリトとロペスはシーズン途中に移籍したので、クオリファイング・オファーの対象外だ。
ただ、複数の球団がキャンデラリオの獲得に動いた場合、エンジェルスが手に入れられるかどうかには疑問が残る。ナショナルズは、各球団に提示された見返りを比較し、そこから選ぶことができる。エンジェルスには、目を惹くようなプロスペクトがいない。