雨で順延された第5戦の先発投手。ヤンキースは「中3日」の左腕。ガーディアンズはスライド登板!?
10月17日に予定されていた、ニューヨーク・ヤンキースとクリーブランド・ガーディアンズのディビジョン・シリーズ第5戦は、雨により、翌日に順延となった。
第5戦がそのまま行われていれば、先発マウンドには、ジェイムソン・タイオン(ヤンキース)とアーロン・シバーレ(ガーディアンズ)が上がっていた(「前回の登板で1アウトも取れなかった投手が、勝者と敗者を分ける第5戦に先発!?」)。
順延された第5戦に、ヤンキースは、タイオンではなく、ネスター・コーテズを起用する。コーテズは、10月14日の第2戦――こちらも雨天により、前日から1日順延――に登板したので、そこから中3日となる。
タイオンからコーテズに変更したのは、当初のローテーションに戻したという見方もできる。シリーズが始まる前は、第1戦がゲリット・コール、第2戦がコーテズ、第3戦がルイス・セベリーノ、第4戦が中4日のコール、第5戦は中3日のコーテズという予定だったと思われる。第2戦の順延により、第5戦は、中2日のコーテズからタイオンに代わったが、第5戦も順延され、再びコーテズの登板が可能になったということだ。
コーテズは、第2戦で5イニングを投げ、失点を2にとどめた。ガーディアンズと対戦したレギュラーシーズンの2登板も、6.1イニングで2失点と6イニングで1失点だ。また、ガーディアンズのチームOPSは、対右がリーグ6位の.717、対左は14位の.646。タイオンは右投手、コーテズは左投手だ。
一方、ガーディアンズは、順延がなければ第5戦に投げるはずだったシバーレをそのままスライドさせるのか、第2戦でコーテズと投げ合ったシェーン・ビーバーを起用するのか、まだ発表していない。
シバーレとビーバーは、ともに27歳の右投手だ。どちらも、2016年のドラフトでインディアンズ(現ガーディアンズ)に指名され、大学からプロ入りした。ドラフトの順位は、シバーレの3巡目・全体92位に対し、ビーバーは4巡目・全体122位だが、これまでの実績は、ビーバーが勝る。短縮シーズンの2020年に、サイ・ヤング賞を受賞。今シーズンは、3年ぶり2度目の200イニングに到達し、リーグ7位の防御率2.88を記録した。シバーレは、昨シーズンの124.1イニングが最多。今シーズンは、97.0イニングで防御率4.92だ。
また、ビーバーもコーテズと同じく、第2戦に打ち込まれてはいない。5.2イニングで2失点だ。
こうしたことからすると、先発投手は、シバーレよりもビーバーのほうがいいような気もするが、ビーバーは中3日だけに、そう長いイニングは望めない(コーテズにも同じことが当てはまる)。ビーバーをブルペンに待機させ、その投球が必要とされる場面で投入する方法も考えられる。
いずれにせよ、この試合に勝ったチームは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズへ進み、ヒューストン・アストロズと対戦する。負けたチームは、ポストシーズンから姿を消す。ちなみに、ナ・リーグでは、すでに、サンディエゴ・パドレスとフィラデルフィア・フィリーズが進出を決めている。それについては、「ナ・リーグ優勝は、NPB経験者が多いパドレスか、大谷翔平の前チームメイト2人を擁するフィリーズ」で書いた。