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ナ・リーグ優勝は、NPB経験者が多いパドレスか、大谷翔平の前チームメイト2人を擁するフィリーズ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブランドン・マーシュ(フィラデルフィア・フィリーズ)Oct 15, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ナ・リーグのワールドシリーズ進出チームを決める、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズは、サンディエゴ・パドレスとフィラデルフィア・フィリーズが対戦する。

 両チームは、それぞれ、ワイルドカード・シリーズとディビジョン・シリーズを勝ち上がってきた。ワイルドカードの2番手と3番手なので、ポストシーズンに進出したナ・リーグの6チーム中、シードの低い2チームだ。

 日本のファンは、どちらを応援するか、迷うかもしれない。

 パドレスには、日本プロ野球の経験者が多い。ディビジョン・シリーズのロースターには、ダルビッシュ有(2005~11年/北海道日本ハム・ファイターズ)、ロベルト・スアレス(2016、18~19年/福岡ソフトバンク・ホークス、2020~21年/阪神タイガース)、ニック・マルティネス(2018、20年/北海道日本ハム、2021年/福岡ソフトバンク)、ピアース・ジョンソン(2019年/阪神)の4投手が入っていた。各選手の年は、一軍の試合に出場したシーズンを記している。

 一方、フィリーズは、夏のトレードで移籍するまで、ロサンゼルス・エンジェルスで大谷翔平とともにプレーしていた2人を擁する。ブランドン・マーシュノア・シンダーガードは、別々のトレードではあるが、どちらも8月2日にエンジェルスからフィリーズへ移籍した。

 パドレスの4人とフィリーズの2人は、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズのロースターにも入るだろう。ジョンソンは外れる可能性もゼロではないが、他の5人のロースター入りは間違いないはずだ。

 ダルビッシュは、ポストシーズン2登板の12.0イニングで防御率3.00を記録し、2勝を挙げている。スアレスは、5登板の6.0イニングで無失点。マルティネスは、4登板の5.0イニングで1失点(自責1)。ジョンソンは、2登板の3.0イニングで無失点だ。ブルペンからマウンドに上がった3人のうち、スアレスとマルティネスは、前の投手が塁上に残していった走者を生還させていない。ディビジョン・シリーズの第2戦は、ダルビッシュ、スアレス、マルティネスとつなぎ、クローザーのジョシュ・ヘイダーにバトンを渡した。

 マーシュは、ポストシーズンの16打席で、13打数4安打(打率.308)、2四球、6三振。相変わらず三振は多いが、4安打中3本は長打だ。ワイルドカード・シリーズの第2戦に二塁打、ディビジョン・シリーズの第4戦にホームランと二塁打を打っている。シンダーガードは、リリーフと先発が1登板ずつ。計4.0イニングで1失点(自責1)だ。

 この6人のうち、ダルビッシュとシンガーガードシンダーガードは、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズに出場したことがあり、ワールドシリーズでも投げている。ダルビッシュは、ロサンゼルス・ドジャース時代の2017年。シンダーガードは、ニューヨーク・メッツ時代の2015年だ。ジョンソンのポストシーズン出場は、2年ぶり2度目。あとの3人は、今年が初めて。6人とも、ワールドシリーズ優勝は経験していない。

 パドレスのリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ進出は3度目。1984年と1998年のどちらも、リーグ優勝を飾っている。フィリーズのリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ進出は10度目。過去9度の内訳は、リーグ優勝5度と敗退4度だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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