121敗のホワイトソックスにオプションを破棄された三塁手に、94勝のヤンキースが興味を示す!?
今オフ、ヨアン・モンカーダは、シカゴ・ホワイトソックスに2500万ドル(解約金500万ドル)の球団オプションを破棄され、FAになった。
モンカーダは、キューバ出身の三塁手だ。来年5月に30歳となる。キューバンの情報に詳しいフランシス・ロメロによると、5球団以上がモンカーダに興味を示していて、そのなかには、トロント・ブルージェイズ、ニューヨーク・ヤンキース、シアトル・マリナーズが含まれているという。
ホワイトソックスは、2024年に121敗を喫し、1962年に120敗のニューヨーク・メッツを超え、1900年以降の最多敗を更新した。一方、ブルージェイズ、ヤンキース、マリナーズは、それぞれ、74勝、94勝、85勝を挙げた。ヤンキースの白星は、ア・リーグで最も多かった。
ロメロが報じているとおりだとすると、ア・リーグ最多敗のホワイトソックスが手放したモンカーダを、ア・リーグ最多勝のヤンキースが入手するかもしれない、ということになる。
ホワイトソックスがモンカーダのオプションを破棄したのは、当然だろう。ここ3シーズンは、計208試合で打率.236と出塁率.291、23本塁打、OPS.678。2024年は、開幕早々に左足の内転筋を痛め、12試合しか出場できなかった。
ただ、モンカーダは、元トップ・プロスペクトだ。2016年のオフに、クリス・セール(現アトランタ・ブレーブス)の交換要員の一人として、マイケル・コペック(現ロサンゼルス・ドジャース)ら3人とともに、ボストン・レッドソックスからホワイトソックスへ移籍。メジャーリーグ4年目の2019年は、打率.315と出塁率.367、25本塁打、OPS.915を記録した。2021年も、出塁率は.375と高かった。
ホワイトソックスは、2020年3月にモンカーダと5年7000万ドル(2020~24年)の延長契約を交わした。破棄したのは、この契約についていたオプションだ。
今オフ、ヤンキースからは、二塁手のグレイバー・トーレスがFAになった。夏のトレードでマイアミ・マーリンズからヤンキースに移籍したジャズ・チザムJr.は、その後、三塁手としてプレーしたが、それまでは、二塁とセンターを主に守ってきた。三塁の守備についたことは、マイナーリーグでもなかった。
ヤンキースがモンカーダに興味を抱くのは――ヤンキース以外の球団もそうだが――復活の可能性があるだけでなく、安く手に入れることができる、あるいはできそう、という点も大きな理由だと思われる。
ヤンキースの場合、こちらもFAとなったホアン・ソトと再契約を交わすには、大枚を要する。しかも、ソトを呼び戻すことができたとしても、それだけで今オフの補強が完了するわけではない。
例えば、内野は、三塁と二塁の一方だけでなく、一塁も確定していない。アンソニー・リゾー、ベン・ライス、DJ・ラメイヒューは、3人合わせても17本塁打。出塁率は、彼らのなかで最も高いリゾーでも.301に過ぎなかった。ヤンキースは、リゾーのオプション、1700万ドル(解約金600万ドル)を破棄した。FA市場に出ているスラッガーの一塁手、ピート・アロンゾとクリスチャン・ウォーカーのどちらかを迎え入れるには、ソトほどではないとはいえ、こちらもそれなりの額を必要とする。