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低迷していたヤンキースが19試合で14勝。まさかのポストシーズン進出もあり得る!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(左)とグレイバー・トーレス Sep 16, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月16日、ニューヨーク・ヤンキースは、6対3でピッツバーグ・パイレーツを下した。

 8月27日を終えた時点では、借金6の62勝68敗。地区最下位にいた。ワイルドカード・レースでは、ロサンゼルス・エンジェルスに次ぐ7位に位置し、3位のヒューストン・アストロズには11ゲーム離されていた。

 そこからの19試合で、ヤンキースは14勝を挙げた。現在は、貯金3の76勝73敗だ。

 ただ、地区順位は4位。ワイルドカード・レースでは5位だ。3位のトロント・ブルージェイズとは、6ゲームの差がある。

 ヤンキースは、レギュラーシーズンの149試合を終えている。残りは13試合だ。

 同地区のボルティモア・オリオールズとタンパベイ・レイズは、すでに92勝を挙げているので、ヤンキースの地区優勝はない。ワイルドカード・レースの2位から4位には、テキサス・レンジャーズ(82勝66敗)、トロント・ブルージェイズ(82勝67敗)、シアトル・マリナーズ(81勝67敗)が並んでいる。

 ヤンキースは、ここからの13試合で10勝を挙げると、シーズン86勝となる。10勝3敗の勝率は.769だ。直近19試合の勝率.737に最も近い。

 一方、レンジャーズとブルージェイズは、ここからの勝率が.400未満でも、シーズン87勝に到達する。レンジャーズは5勝9敗(勝率.357)、ブルージェイズは5勝8敗(勝率.385)で87勝。マリナーズも、6勝8敗(勝率.429)で87勝だ。

 ヤンキースは、ブルージェイズとあと6試合を行うが、レンジャーズとマリナーズとは顔を合わせない。このまま、レギュラーシーズンが終わるまで快進撃を続けたとしても、上に位置する3チーム中2チーム以上が急降下しない限り、ポストシーズンにはたどり着けない。

 ヤンキースのポストシーズン進出があるとすれば、ヤンキースがブルージェイズを2シリーズ――1シリーズ3試合ずつ――ともスウィープし、なおかつ、レンジャーズとマリナーズの一方が、こちらも2シリーズ――3試合と4試合――ともスウィープの場合くらいではないだろうか。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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