久留米にはじまり伝統の味を受継ぐ一杯。こく味と純味の二本柱で、新たな王道の味を切り開く濃厚豚骨。
創業25周年を迎えた久留米の名店
1999年に久留米の地で創業し、25周年を迎えたのは「ラーメン 龍の家」。現在、久留米や熊本を中心に東京まで展開し、10店舗を構えています。久留米といえば豚骨発祥の街ともいわれ、ラーメン激戦区です。その中で存在感を示し、新たな王道の味を切り開きながら地元を中心に絶大な人気を誇る「龍の家」。その創業店にあたる、久留米市の上津藤光バイパス沿いにある「上津店」へお伺いしました。
大通り沿いの店舗はかなり大きくて、そして駐車場も広い。黄色に黒文字の「龍の家」と描かれた看板が目印です。この「龍の家」の創業メンバーは「博多一風堂」で修業されており、その伝統は至る所に受継がれています。
豪快ながらも繊細な和モダンなウッドデザインは、一風堂の店づくりも彷彿させます。広々としていて、重厚なカウンターや落ち着けるボックス席など、お一人様からファミリーまで訪れやすいですね。また、光が差し込む明るさも開放感がありいいですね。
龍の家の二本柱
メニューはとんこつの〈こく味〉〈純味〉の二本立て。
背脂・辛みそ・香油で深いコクを引き出し、にんにくと焦がし玉ねぎの風味も加えた濃厚な一杯の〈こく味〉。
キレのあるまろやかスープがダイレクトに味わえる龍の家本来のベーシックスタイル。とんこつ本来のコクと旨味が広がる〈純味〉。
どこか一風堂の〈赤丸〉〈白丸〉を思い起こさせるメニュー。そして久留米ラーメンといえば〈呼び戻し製法〉が主流の中、〈とり切り製法〉のスープも「龍の家」の特徴といえるでしょう。
こく味チャーシュー
純豚骨100%の濃厚豚骨スープがベースとなっており、こく味はより力強くもマイルドな仕上がりとなっています。そこにチャーシューがたっぷりと鮮やかに並んでいます。ねぎやきくらげ、もやしもトッピングされています。
表面に浮かぶ背脂がインパクトありますね。真ん中には辛味噌。濃厚な豚骨の中に背脂の甘みが広がる。さらににんにくと焦がし玉ねぎの香ばしい香油の香りと風味が味に深みを増していきます。そこに辛みそを少しずつ溶きながら、さらに味の広がりを楽しむことができます。
背脂に辛みそに香油と、濃厚に濃厚を重ねる組合せですが、不思議と重さやしつこさはなく、グッとくるパンチの効いた味わいがクセになります。濃厚な久留米ラーメンといえど、やはり定番とはひと味違うオリジナルな仕上がり。
自社製麺所の「福久留製麺」の特製ブレンド粉を使った、麺の味はもちろん、スープとの相性もバッチリな極細ストレート麵。自家製だからのこだわりは、低加水で歯切れ良く、小麦の味も強く感じることができます。
バラ肉のチャーシューは醤油ベースのタレでしっかりと煮込んであり、ほろりと柔らかく肉質も良く、とろけるような美味しさです。
濃厚ながらも味わい深く美味しいスープは、もちろん飲み干せるスープ。龍が描かれただけの丼のデザインも斬新でお洒落ですね。
辛もやし・辛子高菜・ピンク生姜
各テーブルには、3つの器があり、辛もやし・辛子高菜・ピンク生姜が用意されています。お好みにあわせていただける、これは嬉しい。
辛もやしは一風堂にもある名物ですね。ラーメンを待つ間にちょいといただくのが美味しいんですよね。
辛子高菜も香ばしくピリリと辛い。ラーメンにもご飯にもバッチリです。
その他、ゴマやコショウ、替玉のタレに、餃子用のタレやラー油も。
天井が高く、梁があらわになった造りは、木の自然な香りを感じながら開放感あるスペース。丼にありがとうと描かれているのが可愛いですね。
厨房前にもズラリと並ぶカウンター席。かなりの席数があります。店員さんの対応も明るく、細かな気配りも行き届いています。
久留米にはじまる伝統の味を受継ぐ一杯。そして、新たな王道ラーメンを切り開く濃厚豚骨。久留米のみならずその人気は各地へ轟き、久留米ラーメンといえば「龍の家」と名が出る、名実ともに久留米、いや、福岡を代表する名店です。