Yahoo!ニュース

オートバイのあれこれ『珍車!? ロータリーエンジンのバイク!』

Rotti.モトエンスー(moto enthusiast)

全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。

今日は『珍車!? ロータリーエンジンのバイク!』をテーマにお話ししようと思います。

「ロータリーエンジン」

この単語を聞くと、多くの人はMAZDA(マツダ)のクルマを思い浮かべることでしょう。

RX-7』や『ルーチェ』などは、ロータリーエンジンを搭載していたことで有名ですね。

▲REエンジンのルーチェ〈1972/画像引用元:MAZDA〉
▲REエンジンのルーチェ〈1972/画像引用元:MAZDA〉

「ロータリーはマツダの専売特許だ!」

なんて声も聞こえてきそうです。

ただ、このロータリーエンジン車、実はスズキも実用化し市販車へ搭載していたことがありました。

スズキはかつて、『RE-5』というロータリーエンジンで走るバイクを生産していたのです。

▲RE-5〈1975/画像引用元:スズキ〉
▲RE-5〈1975/画像引用元:スズキ〉

それまで、ロータリーエンジンの二輪車が実用化された例はほとんど無く、RE-5はデビューするやいなや世界中から大いに注目を集めました。

しかし、不運にもデビューと同じタイミングで石油危機(オイルショック)が起き、RE-5はその煽りからわずか1年ほどで生産が中止されてしまいました。

“ロータリーのバイク”というインパクト抜群の特徴を備えながら、広く認知を取れなかったのは、この現役期間の短さゆえでしょう。

エンジンは水油冷式のシングルローターで、排気量は497cc、ピークパワー62ps&最大トルク7.6kg-mを発揮。

▲シングルローターで排気量は約500ccだ
▲シングルローターで排気量は約500ccだ

エンジン以外の見どころとしては、車体のデザインをジョルジェット・ジウジアーロ氏が担当したことが挙げられます。

ジウジアーロ氏は、トヨタ『アリスト』やスバル『アルシオーネSVX』、いすゞ『ピアッツァ』などのデザインを手がけたことでも有名ですね。

オートバイの世界では珍しい“styled by Giugiaro”でした。

▲かつてのスズキの軽自動車・フロンテクーペもジウジアーロデザインだった
▲かつてのスズキの軽自動車・フロンテクーペもジウジアーロデザインだった

生産期間が1年間だったことから生産台数もかなり少なく、RE-5は全世界で6000台ほどしか出回らなかったといわれています。

数が少ないという意味では、ホンダのCBやカワサキのZよりも“お宝度”が高いといえるかもしれません。

モトエンスー(moto enthusiast)

バイクを楽しむライター。バイク歴15年で乗り継いだ愛車は10台以上。ツーリング/モータースポーツ、オンロード/オフロード、最新バイク/絶版バイク問わず、バイクにまつわることは全部好き。

Rotti.の最近の記事