オートバイのあれこれ『珍車!? ロータリーエンジンのバイク!』
全国1,000万人のバイク好きたちへ送るこのコーナー。
今日は『珍車!? ロータリーエンジンのバイク!』をテーマにお話ししようと思います。
「ロータリーエンジン」
この単語を聞くと、多くの人はMAZDA(マツダ)のクルマを思い浮かべることでしょう。
『RX-7』や『ルーチェ』などは、ロータリーエンジンを搭載していたことで有名ですね。
「ロータリーはマツダの専売特許だ!」
なんて声も聞こえてきそうです。
ただ、このロータリーエンジン車、実はスズキも実用化し市販車へ搭載していたことがありました。
スズキはかつて、『RE-5』というロータリーエンジンで走るバイクを生産していたのです。
それまで、ロータリーエンジンの二輪車が実用化された例はほとんど無く、RE-5はデビューするやいなや世界中から大いに注目を集めました。
しかし、不運にもデビューと同じタイミングで石油危機(オイルショック)が起き、RE-5はその煽りからわずか1年ほどで生産が中止されてしまいました。
“ロータリーのバイク”というインパクト抜群の特徴を備えながら、広く認知を取れなかったのは、この現役期間の短さゆえでしょう。
エンジンは水油冷式のシングルローターで、排気量は497cc、ピークパワー62ps&最大トルク7.6kg-mを発揮。
エンジン以外の見どころとしては、車体のデザインをジョルジェット・ジウジアーロ氏が担当したことが挙げられます。
ジウジアーロ氏は、トヨタ『アリスト』やスバル『アルシオーネSVX』、いすゞ『ピアッツァ』などのデザインを手がけたことでも有名ですね。
オートバイの世界では珍しい“styled by Giugiaro”でした。
生産期間が1年間だったことから生産台数もかなり少なく、RE-5は全世界で6000台ほどしか出回らなかったといわれています。
数が少ないという意味では、ホンダのCBやカワサキのZよりも“お宝度”が高いといえるかもしれません。