新型コロナ休校で、子供の重大事故発生 ドライバーや保護者は今まで以上の注意を!
新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国の学校で臨時休校の措置が取られています。
休校中は基本的に「各家庭で学習を」とのことですが、特に気候のよい今の時期、元気な子どもたちが自宅でじっとしていることは大変難しいようです。
逆に、外出の機会が増えてしまうことも懸念されています。
そんな中、痛ましいニュースが報じられました。
『自転車の小3男児はねられ意識不明 新型コロナで休校中 川崎』(2020年4月9日/NHK)
記事によれば、4月9日正午ごろ、川崎市で自転車に乗った小学3年生の男の子(8歳)が、68歳の男性が運転する乗用車にはねられたというのです。
川崎市内の小学校は新型コロナウイルスの影響で休校が続いており、この日、男の子は近くの公園の方向に向かっていたそうです。
■休校中は昼間も子どもたちが近くに! ドライバーは細心の注意を
上記の事故が発生した4月9日は木曜日です。通常どおり学校へ登校していれば、ちょうど給食が始まる時間帯だったはずです。
新型コロナウイルスの問題がなければ、こうした事故に遭わなかったかもしれないと思うと本当に悔しいのですが、今まさに、感染症とは別の危険が全国各地に潜んでいることを、ドライバーも、そして保護者も心しなければなりません。
私自身も日中、車で買い物に行ったときなどにハッとすることがあります。
駐車場で子どもたちの姿をいつもより多く見かけるからです。
『あれ、春休みはとっくに終わっているはずなのに……』
一瞬、不思議な感覚になるのですが、
『そうだ、今は幼稚園や小学校がお休みになっているんだ!』
ということに気づかされます。
■事故が多発する時間帯も休校措置によって変化する?
警察庁の統計によると、4月から6月は小学生が1年のうちでもっとも交通事故に遭いやすい時期となっています。
この件については、昨年の5月、以下の記事で既にレポートしました。
『5月は子どもの交通事故が激増! 小学1年生の「ひとり歩きデビュー」に注意』
また、以下のグラフを見ると、低学年の子どもが事故に遭う時間帯は、午後3~5時台に集中していることがわかります。
つまり、下校時、または帰宅後に友達の家や公園、習い事に行く途中などに危険が潜んでいるということです。
子どもたちの下校時は、ドライバーにとっては特に緊張感が必要な時間帯です。
逆に言えば、平日の昼間は、子どもたちと道路で遭遇する頻度が低いため、無意識のうちに安心している人も多いのではないでしょうか。
しかし、休校措置が取られている今は、状況がまったく異なります。
普段なら学校にいるはずの子どもたちが、午前中から徒歩や自転車で外に出かけている可能性があるからです。
■小学校低学年の子どもは、交通事故に要注意
ちなみに、警察庁が2014年~2018年の5年間に起きた交通事故を分析したところ、歩行中の小学生の死者・重傷者は3276人に上っています。
最も死傷者数が多かったのは小学1年生の872人(死者28人)、次いで2年生の799人(死者20人)となっており、その数は学年が上がるにしたがって減少します。
6年生になると243人(死者は5人)です。
'''死者数だけに絞ると、小学1年生の死者数(28人)は、6年生(5人)の5.6倍にも上っていることがわかります。
しかし、新型コロナウイルスの影響で、別の不安も高まっています。
https://mainichi.jp/articles/20200406/k00/00m/040/089000c『新型コロナで新入生横断指導中止、警笛も使わず 春の交通安全運動始まる』(2020年4月6日/毎日新聞)『新型コロナで新入生横断指導中止、警笛も使わず 春の交通安全運動始まる』(2020年4月6日/毎日新聞)
上記記事にあるとおり、警視庁は45年間続けてきた警視総監による新小学1年生への横断歩道の渡り方の指導を、今年初めて中止にしたというのです。
春の交通安全週間に予定されていた子ども向けの各種イベントも、自粛せざるを得ないそうで、新1年生をはじめとする地域の子どもたちへの交通安全教育は、残念ながらあきらめざるを得ない状況なのです。
これはとても心配なことです。
なにより今は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策の中で、人や車の動きに、例年にはない大きな変化が現れています。
特に、休校の措置が取られている間は、子どもたちが思わぬ時間帯に、思わぬ場所へ出かけることを想定しなければなりません。
「新型コロナウイルスに感染しないために」ととられた措置が、子どもを交通事故の危険にさらすことにならないよう、ドライバーのみなさんは住宅街や駐車場での最徐行を心がけてください。
そして、特に低学年のお子さんをお持ちの保護者の方々は、子どもが外へ出る際にはできるだけ同行し、危険なポイントを教えるなど、十分に注意を払っていただければと思います。