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中国・深圳の水族館に「メカジンベエザメ」怒り出す客が続出も、SNSでは「貴重」「見てみたい」との声も

中島恵ジャーナリスト
メカジンベエザメについての番組(広東台触電新聞より筆者によるスクリーンショット)

中国・深圳市に10月1日にプレオープンした水族館『深圳小梅沙海洋世界』で展示されていたジンベエザメが、機械でできた“メカジンベエザメ”だったことが発覚。入場した客などから「騙された。ニセモノだったのか」「入場料を返せ」「子どもの教育に悪い」「バカにしている」などの怒りの声が上がっている。

一方で、ウェイボーなどのSNSを見ると、大人たちからは「むしろ機械のサメなんて見てみたいものだ」「メカジンベエザメこそ貴重じゃないか」などのコメントが寄せられており、失笑を買ったり、別の意味で興味をそそるという意外な事態に。このニュースが日本でも報道されると、日本のSNS上でも「メカジンベエザメ、カッコいい!」などと話題になっている。

水族館の目玉として展示されたが……

中国メディア『広東台触電新聞』の報道によると、機械(ロボット)でできたジンベエザメを展示した水族館は、魚類、貝類などの水生動物、約200種類を展示し、大型連休である国慶節に合わせてプレオープンしたばかりだった。初日だけで約1万5000人、国慶節期間の7日間で約10万人が来場し、大混雑となる人気ぶりだった。

同水族館の目玉として注目されたのがジンベエザメだったが、水槽を泳ぐ姿や、その動きに違和感があるという指摘が来場客から殺到。水族館側はこれを「機械で作ったニセモノ」だと認めた。ジンベエザメは中国では取引禁止で、展示することはできないが、水族館側は目玉として展示したいと考え、数百万元をかけて制作することを思いついたようだ。

同水族館の入場料はプレオープン時で240元(約4800円)、子ども料金は150元(約3000円)。深圳に近い珠海市にはギネスブックに認定されている世界最大の水族館『海洋王国』があるが、中国は日本よりも水族館の数が少なく、小中学校などの社会科見学や遠足などで、中国の子どもたちが水族館を訪れて、本物の魚類などを見る機会は少ない。

日本では大阪の『海遊館』、沖縄県の『美ら海水族館』、鹿児島県の『いおワールドかごしま水族館』、石川県の『のとじま水族館』でジンベエザメを見ることができる。

ジャーナリスト

なかじま・けい ジャーナリスト。著書は最新刊から順に「日本のなかの中国」「中国人が日本を買う理由」「いま中国人は中国をこう見る」(日経プレミア)、「中国人のお金の使い道」(PHP新書)、「中国人は見ている。」「日本の『中国人』社会」「なぜ中国人は財布を持たないのか」「中国人の誤解 日本人の誤解」「中国人エリートは日本人をこう見る」(以上、日経プレミア)、「なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?」「中国人エリートは日本をめざす」(以上、中央公論新社)、「『爆買い』後、彼らはどこに向かうのか」「中国人富裕層はなぜ『日本の老舗』が好きなのか」(以上、プレジデント社)など多数。主に中国を取材。

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