「旧統一教会と関係断て」吉村大阪府知事が大阪維新に指示。ただし代表選は「個々の説明で」
安倍元首相の殺害事件で注目される旧統一教会について、大阪維新の会が、所属する首長と議員に対し、一切の関係を断つよう指示したことがわかった。
これは10日、大阪維新の会の会長を務める吉村洋文大阪府知事が、定例記者会見で明らかにした。それによると、旧統一教会による被害総額が1237億円に上ると対策弁護士連絡会が訴えていることなどを踏まえ、大阪維新の会に所属するすべての首長と議員に対し、旧統一教会やその関連団体とは一切の関係を断つよう、幹事長名の文書できょう10日、指示した。
会見で吉村知事は「政治集団としては(旧統一教会との関係を)遮断する」と明言した。ただし実際の通知文書では、「今後、大阪維新の会の首長・議員各位におかれては、政治家の立場をもって世界平和統一家庭連合(旧統一協会)及びその関連団体と接することは厳に慎んで頂くようお願いいたします」という表現になっている。
この問題をめぐり、間近に迫った日本維新の会の代表選に関連し、「代表選の候補が旧統一教会と関係を断ったのかどうか、どのように説明すべきと考えるか?」と会見で質問されたのに対し、吉村知事は「大阪維新の会の代表である私が関係を遮断すべきと判断し、そう伝えたわけです。それに従わないならば維新の看板をはずしてもらうしかない」とした上で、「意図的に同じような行動(旧統一教会との関係)を続けることはないと僕は思っています」と述べた。
さらに、「代表選に立候補を表明している方々が、旧統一教会との関係について、あるいは関係を断つんだということについて、充分に説明しているとお考えですか?」と質問されたのに対し、吉村知事は「これ以上(候補予定者が)発表してくださいと求めるつもりはないです。そこは(立候補を表明した)議員が判断することだと思います」とかわした。
「大阪維新の会」は大阪の地域政党で、国政政党「日本維新の会」の母体にあたる。日本維新の会の代表選は8月14日告示、27日開票の予定で、これまでに馬場伸幸共同代表、足立康史国会議員団政調会長、梅村みずほ参議院議員の3人が立候補を表明し、このうち馬場氏、足立氏については維新の内部調査で旧統一教会と「関係があった」と指摘されている。