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ブレーブスの方針はブレない。昨オフに続き今オフもトレードで獲得直後に延長契約

宇根夏樹ベースボール・ライター
ショーン・マーフィー(左)とマット・オルソン May 2, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 12月27日、アトランタ・ブレーブスは、捕手のショーン・マーフィーと6年7300万ドル(2023~28年)の延長契約を交わしたことを発表した。

 マーフィーは、ブレーブスではまだ一度もプレーしていない。半月前に、オークランド・アスレティックスから移籍したばかりだ(「三角トレードで3球団が捕手を獲得する。ゴールドグラブ捕手、オールスター捕手、控え捕手!?」)。

 昨オフも、ブレーブスは、同じように動いている。3月14日に一塁手のマット・オルソンを獲得し、翌日に8年1億6800万ドル(2022~29年)の延長契約を交わした。

 どちらの契約にも、1年分の球団オプションがついている。マーフィーは2029年の年俸1500万ドル、オルソンは2030年の年俸2000万ドルだ。各シーズンの年俸の1%をブレーブスのチャリティに寄付することも、共通している。また、昨シーズンまで、彼らはチームメイトだった。オルソンも、ブレーブスへ移るまではアスレティックスにいた。

 近年のブレーブスは、長期の延長契約を十八番としている。先発投手のスペンサー・ストライダーが登板する試合は、DH、遊撃手、レフトを除く7人が、5年以上の延長契約を手にしている選手となる。

 2019年の開幕直後に、外野手のロナルド・アクーニャJr.と二塁手のオジー・オールビースと、それぞれ、8年1億ドル(2019~26年)と7年3500万ドル(2019~25年)の延長契約。今年の8月から10月にかけては、三塁手のオースティン・ライリーと10年2億1200万ドル(2023~32年)、外野手のマイケル・ハリス2世と8年7200万ドル(2023~30年)、ストライダーと6年7500万ドル(2023~28年)の延長契約だ。

 ライリーとストライダーの契約には、オルソンとマーフィーと同じく、1年分の球団オプションがついている。アクーニャJr.とオールビースとハリス2世の球団オプションは、1年分ではなく2年分だ。球団オプションを含めると、ここから5シーズン、2027年までは7人とも保有できる。オールビースを除く6人は、2028年までだ。

 なお、この方針のメリットについては、10月に「王朝再び!? 3ヵ月に3人の若手と延長契約を交わす。合計額は3億5900万ドル」で考察した。ちなみに、ロサンゼルス・エンジェルスのペリー・ミナシアンGMも、2020年のオフに現職に就く前は、ブレーブスのフロントにいた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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