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キーウ迎撃戦闘、自爆ドローンが爆発四散した様子

JSF軍事/生き物ライター
駐日ウクライナ大使の投稿よりキーウ上空迎撃戦闘、自爆ドローン撃墜の様子

 2023年8月2日夜(現地時間で日付けが変わって夜明け前)、ロシア軍はウクライナ各地にイラン製シャヘド136自爆ドローンで長距離攻撃を実施。ウクライナ軍の防空システムは23機を撃墜したと報告しましたが、幾らかの撃ち漏らしが出て被害が生じています。

2023年8月2日、キーウ迎撃戦闘:元投稿はРеальный Киев

  • 自爆ドローン特有のブーンというプロペラ音
  • 画面外で激しい閃光と轟音(光より音は遅れて届く)
  • 多数の火の玉が降って来る

2023年8月2日、キーウ迎撃戦闘駐日ウクライナ大使の投稿

  • 推定地図座標:50.368996, 30.458711
  • 自爆ドローンに地対空ミサイルが直撃したと推定
  • 自爆ドローンの搭載燃料により爆発四散した残骸が炎上?

注意:クラスター焼夷弾ではなく自爆ドローンの撃墜

駐日ウクライナ大使の投稿よりキーウ上空迎撃戦闘、自爆ドローン撃墜の様子
駐日ウクライナ大使の投稿よりキーウ上空迎撃戦闘、自爆ドローン撃墜の様子

 静止画だけではまるでクラスター焼夷弾の多数の火の玉のように見えてしまい、誤解してしまうのが仕方ないほど非常によく似ていますが、場所や日時(戦線より後方の首都キーウなので攻撃方法が限られる)、動画の音(自爆ドローンのプロペラ飛行音)を合わせて見ると迎撃戦闘での空中目標の撃墜だと分かります。静止画の爆発と火の玉の様子だけでの識別点としては・・・

  • 空中の煙の量が多い(クラスター子弾の放出時の起爆は非常に小さい)
  • 火の玉が大きい(9M22Sクラスター焼夷ロケットの9N510子弾は小さい)

 シャヘド136自爆ドローンは過去にも遠距離からの撮影ですが、撃墜時の爆発四散で多数の火の玉が発生した事例が報告されています。

※追記:この多数の火の玉については『迎撃ミサイルの推進剤の固体燃料が四散したもの』である可能性があります。推進剤を使い切る前に命中した場合、残っていた推進剤に火が着きながらバラバラに四散していく可能性が考えられます。

※比較用の映像

2023年5月28日、キーウ迎撃戦闘シャヘド136撃墜

2023年5月28日、キーウ迎撃戦闘シャヘド136撃墜

※9M22Sクラスター焼夷ロケット弾:ロシア‐ウクライナ戦争でロシア軍が多用する焼夷兵器。BM-21グラド多連装ロケットで発射。1発あたり180個の9N510焼夷子弾を内蔵。焼夷材はマグネシウムーテルミット系。なお白リンではない。他にもロシア‐ウクライナ戦争で使用された焼夷兵器は幾つかあるが、投入数量では9M22Sが圧倒的に多い。クラスター型なので多数の火の玉が降って来る。

2023年7月20日、ヘルソンへの9M22Sクラスター焼夷ロケット弾

2022年11月2日、バフムトでの9M22Sクラスター焼夷ロケット弾

軍事/生き物ライター

弾道ミサイル防衛、極超音速兵器、無人兵器(ドローン)、ロシア-ウクライナ戦争など、ニュースによく出る最新の軍事的なテーマに付いて兵器を中心に解説を行っています。

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