【諫早市】メディアでも話題の写真スポット。ハート型のイチョウの木誕生秘話
もうご存じの方もいると思いますが、ここ数年で「映えスポット」となったハート型のイチョウの木。
ネットニュースやSNS、全国ニュースにも取り上げられており、知名度はますます上がってきています。
メディアで見るたびに「筆者も撮りたい!!」と思い、撮るならせっかくだし、取材もしたいと思い行ってきました。
実は歴史があるメモリアルツリー
これが植えられている場所は、飯盛支所と飯盛ふれあい会館の共同駐車場です。
実はこの土地、50年前までは、江ノ浦尋常小学校(現・飯盛東小学校)の運動場だった場所。
当時の卒業生からは「メモリアルツリー」として親しまれており、歴史が深い樹木でもあります。
ここの土地の建物は、何度か建て替えられており、その度に他の樹木は移植されたり伐採されたりしたのですが、このイチョウの木だけ奇跡的に残されました。
飯盛支所の職員さんにお話をお伺いしたところ、樹齢は不明とのこと。
樹形は、当時から上部で大きく二つに枝分かれしており、すでにハート型に似ていたんだとか。
樹木の高さは現在約8.5メートル。しかし校舎を取り壊し、土地を整備し埋め立てた際に、イチョウの木の根本も一緒に埋められています。なので、実際はもう少し樹木の高さはあったのではと考えられます。
飯盛町のメイン観光地にするために、愛の意味を込めた
昭和49年(1974年)に小学校だった場所に町民センターを建設。平成24年(2012年)に町民センターから、現在の飯盛ふれあい会館に建て替えられました。
ハート型に剪定され始めたのは、その翌年の平成25年(2013年)。当時の飯盛支所の職員の方が「飯盛町のメイン観光地がほしい」という思いから、ハート型に近い樹木に着目し、剪定されました。
1815年にドイツの詩人ゲーテが「銀杏の葉」という恋愛詩を書いており、一部の文章を当樹木の幹に貼り付けたそうです。
(『ゲーテ詩集』より 一部抜粋 (訳・井上政蔵、旺文社文庫 1968年))
(現在は張り紙が劣化したため、外されています。)
この詩は当時ゲーテが、歳の離れた恋人へ送るために綴ったものです。
イチョウの葉に、自分と恋人を重ね合わせて書かれています。
それを、剪定された職員さんが当樹木のハートに見える形と掛け合わせ、その詩を貼り付けたそうです。
それからは地域の人たちからは、愛を伝える象徴としてバレンタインデーのイベントなどのチラシなどに使われたりしていました。
以後年に一度は剪定され、現在の綺麗なハートの形を保っています。
飯盛の職員さんたちのボランティアのおかげで年中楽しめる
剪定後、当時の飯盛支所有志の方々が冬でも楽しめるように、イルミネーションの飾りを製作しました。
これは現在も引き継がれており、飯盛支所地域総務課長職を中心に紅葉後からバレンタインデーまで、イルミネーションを点灯しています。
点灯時間は夕方5時から夜10時頃まで。
期間中の維持管理はなんと、飯盛支所職員さん方と飯盛ふれあい会館の職員さん方のボランティアでされています。
四季折々の姿が楽しめるハート型のイチョウの木
イチョウの木は紅葉が色づく秋が一番綺麗でたびたび話題にはなっていますが、年中楽しめるように、飯盛支所職員さんたちによって工夫されています。
今年は、ぜひ季節折々の違うハート型のイチョウの木を、観に行ってみてはいかがでしょうか。
ハートのイチョウの木
場所 諫早市役所飯盛支所 横
(飯盛ふれあい会館 前)
住所 諫早市飯盛町1929-3
アクセス 県営バス 三本松よりすぐ
駐車場 無料