名古屋城の金鯱が16年ぶりに地上へ降臨!ツーショットからタッチまで
過去2度の地上展示ではそれぞれ100万人以上を動員
名古屋城のシンボル、金の鯱が16年ぶりに地上へ降臨。名古屋城、そして都心の特設会場にて、およそ3カ月半にわたって特別展示されることになりました。3月20~4月2日は名古屋城内での「名古屋城 金鯱展」、4月10~7月11日は都心部・栄での「名古屋城金シャチ特別展覧」、場所と内容を変えて、それぞれ金鯱が人々の前にお目見えします。
現在の金鯱は、1945(昭和20)年に空襲で天守とともに焼け落ちた後、1959(昭和34)年に復元されたもの。1612(慶長17)年につくられたオリジナルに忠実な姿で、城と町の守護として天守に戴冠されてきました。
地上へ降りるのは復元後3回目。1984(昭和59)年の「名城博1984」では2か月で192万人、2005(平成17)年の「新世紀・名城博2005」では3カ月で120万人以上を動員しました。
江戸時代につくられたオリジナルの金鯱も、明治維新後に宮内省に献上されたのを機に天守から降ろされ、およそ8年にわたって国内外の博覧会などに出展されていました。金鯱のまばゆさや大きさに民衆が驚く様は、当時の錦絵などにも数々描かれています。昔も今も、金鯱はしばしば地上へ降り立ち、人々の注目と崇敬を集めてきたのです。
「名古屋城 金鯱展」はアートな金鯱とツーショット!
まず3月20~4月2日に開催されるのが「名古屋城 金鯱展」。名古屋城二之丸広場に、金鯱をメイン展示とする巨大アートギャラリーを特設。雄の鯱を砂の山の上に鎮座する「山シャチ」、雌の鯱を池の水盤に浮かぶ「海シャチ」として展示します。古今東西の鯱の仲間を描いたアート作品、かつての錦絵などと合わせて、金鯱をアートとして楽しむ趣向となっています。
人気を集めそうなのが海シャチと記念撮影できるフォトコース(2000円、Webで事前申し込み、または当日整理券)。金鯱の真横で記念撮影でき、高さ約2・6mのスケールを実感できます。ツーショット写真はその場で受け取れる他、画像データをダウンロードできるので、SNSなどにアップして大いに自慢しちゃいましょう。
金鯱展限定のグッズも販売。限定1000個で復刻した金鯱土鈴、金シャチクリップスなどここでしか買えないお土産品が数々取り揃えられています。
「名古屋城 金鯱展」は「名古屋城春まつり」と同時開催で、他にも音楽のライブステージや屋台村などがあり。名古屋城の入場料のみで金鯱展も見られます。いつもと違った名古屋城と金鯱を楽しむチャンスです。
金鯱にタッチできる栄の「名古屋城金シャチ特別展覧」
続いて4月10日~7月11日に開催されるのが「名古屋城金シャチ特別展覧」です。栄・ミツコシマエ ヒロバスに特設パビリオンが設置されて雌雄の金鯱を展示。街の中心部に金鯱が現れるのは史上初めてのこととなります。
こちらの目玉は金鯱にふれられること。今回の展覧には、「疫病退散 金鯱降臨」のキャッチコピーもつけられていて、神獣である金鯱にコロナ禍沈静の願いを託す意味合いも込められています。金鯱に直接ふれることで、そのご加護にあずかろうというわけです。
入場料は500円。平日限定入場券は平日ならいつでも入場可能。土日祝日は日時指定入場券が必要となります。夜8時までの開催なので、地元の人はできるだけ平日を選んだ方が混雑を避けられそうです。
金鯱&名古屋の町・人との深いつながりと合わせて楽しんで
実は筆者はこの盛り上がりに先駆けて、昨年からTwitterで「一日一鯱」運動を展開していて、名古屋の街中で様々な金鯱(商品のパッケージやキャラクター、企業のシンボルマークなど)を見つけては投稿しています。昨年元旦から1日も休まず続けていて、投稿した金鯱は400以上に上ります。この活動の発展形として、金シャチ特別展覧とからめた金シャチ企画も計画中です。(名古屋城公式HP内の「お城note」に筆者が寄稿した記事「名古屋の町は金シャチだらけ!」もご参照ください)
「一日一鯱」活動を続けて実感するのは、金鯱ほど地域のアイコンとして浸透しているモチーフは、全国的にもきわめて貴重な存在だということ。「金鯱」を使えばそれだけで「名古屋」と認識してもらえる、こんな存在はなかなかありません。今回の金鯱展は、そんな地域のシンボルとしてのブランド力をあらためて実感できるもの。単に大きくてピカピカ光る鯱を見る、だけでなく、金鯱と名古屋の深い関係性にも思いをはせると、いっそう深く楽しめることでしょう。
(写真撮影/すべて筆者)