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2年3850万ドルでレッドソックス入団の投手に全休の可能性が浮上。FA市場に残る投手を手に入れる!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ルーカス・ジオリト(ボストン・レッドソックス)Feb 20, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年、ルーカス・ジオリトは、シカゴ・ホワイトソックスとロサンゼルス・エンジェルス、クリーブランド・ガーディアンズの3チームで投げた。そして、ガーディアンズからFAとなり、年末に、ボストン・レッドソックスと2年3850万ドルの契約を交わした。

 だが、ジオリトのレッドソックス・デビューは――2月25日と3月1日に登板したエキシビション・ゲームは含めず――今年ではなく、来年の可能性もある。

 右肘に不具合を感じ、検査を受けたところ、ESPNのジェフ・パッサンによると、靱帯に損傷が見つかり、手術を受ける必要があるかもしれないという。トミー・ジョン手術を受ければ、今年は全休となる。

 ジオリトを欠く場合、ローテーションには、ニック・ピベッタブライアン・ベイオカッター・クロフォードタナー・ハウクギャレット・ウィットロックが並ぶと思われる。ジオリトもそうだが、5人とも、昨年の防御率は4.00以上。ジオリトが6シーズン続けて規定投球回以上をほぼクリアしている――2022年は161.2イニング――のに対し、5人のなかで規定投球回以上のシーズンがあるのは、2018年と2022年に到達のピベッタだけだ。しかも、どちらのシーズンも、防御率は4.50を超えていた。ジオリトは、2019年と2021年に、160イニング以上を投げて防御率3.60未満を記録している。

 レッドソックスは、ジオリトの怪我が発覚する前から、FAのジョーダン・モンゴメリーに興味を抱いているようだ。MassLive.comのショーン・マカダムは、レッドソックスが代理人のスコット・ボラスとコンタクトをとっている、ESPNのバスター・オルニーは、アレックス・コーラ監督がモンゴメリーとズームで会談、と報じていた。MassLive.comのクリストファー・スミスらによると、コーラ監督は、モンゴメリーと話したことを認めたという。

 モンゴメリーは、過去3シーズンとも、155イニング以上を投げて防御率3.85未満を記録している。2022年と2023年は、175イニング以上で防御率3.50未満だ。

 レッドソックスは、ジオリトがいるローテーションにモンゴメリーを加えようとしていた、というように見える。ということは、ジオリトが離脱すれば、モンゴメリーの他にも先発投手をあと1人、となってもおかしくない。予算を考えると、ここから、先発投手を2人加える可能性は高くなさそうだが、モンゴメリーだけでなく、ブレイク・スネルマイケル・ロレンゼンマイク・クレベンジャーといった先発投手も、FA市場に残っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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