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なぜ賞味期限切れの水は飲めるのに賞味期限表示がされているのか?その理由とは #専門家のまとめ

井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
ペットボトルに入ったミネラルウォーター(写真:イメージマート)

台風や豪雨など自然災害は毎年のように起こっている。気候変動の影響で災害の頻度はますます上昇している。自然災害が発生したとき、頼りになるのが備蓄している水や食料だ。理想としては、賞味期限が切れる前に入れ替えしていることだが、もし非常時に賞味期限が切れた水しかなかったら、どうしたらいいのだろう。そもそも、ペットボトルのミネラルウォーターに表示されている賞味期限が過ぎたら、もう飲めなくなるのだろうか?

ココがポイント

▼ペットボトル水の賞味期限は、容量が確保できる期限のこと。ガラス瓶だと蒸発しないが、ペットボトルは容器を介して水が蒸発する

賞味期限を過ぎたペットボトルの水は飲めるか、飲めないか?(産経新聞)

▼台風が増えるこの時期、万が一、備蓄しているペットボトル水の賞味期限が過ぎていたとしても、開けて飲用可能なら使いきって

賞味期限切れの水は飲めるので台風など非常時に捨てないで!消費者・行政・メディア みな賞味期限を誤解(Yahoo!ニュースエキスパート井出留美)

▼水も備蓄食品も賞味期限切れをすぐに捨てないで。年単位で保存できるものは適切な場所で管理されていたら飲食可能な場合が多い

「賞味期限切れ」すぐ捨てないで 命を守るため震災発生時に活用してほしいペットボトル水と備蓄食品の情報(Yahoo!ニュースエキスパート井出留美)

▼世界では22億人以上が安全に確保された水の供給を受けていない。水資源で争っている国もある。命の源である水を無駄にしない
なぜ賞味期限切れの水は十分飲めるのに賞味期限表示がされているのか?ほとんどの人が知らないその理由とは(Yahoo!ニュースエキスパート井出留美)

エキスパートの補足・見解

ここ最近、自然災害が何度も発生してきた。新幹線や在来線が停まったり、台風で市民が避難したり、といった事態が毎年のように起こってきた。その際、備蓄していた水の賞味期限が切れていて、市民から苦情が来て自治体が謝り、それをマスメディアが報じる・・・ということが繰り返されてきた。

もちろん賞味期限が過ぎる前に備蓄を入れ替えることが理想だろう。でも非常事態が発生してしまった後、備蓄水の賞味期限が切れていることが判明したら、「この賞味期限は飲めなくなる期限ではなく、表示された容量が確保できる期限である」ということを市民に説明し、飲用水として役立ててほしい。水は命の源である。このことを多くの方に知っていただきたい。

食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about

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