【接続詞?】文の初めに「なので」は間違いなのか【正しい日本語知識】
プライベートではよく使う言い回しでも、文章を書くときやフォーマルな場面で会話をするときに「これって正しい日本語なのかな?」と疑問をもつことはありませんか?今日は、理由や原因などを説明するときによく使う「なので」について紹介します。この記事を読めば、人と会話するときはもちろん、ビジネスメールや履歴書等の文章を書くときにも役立つはずですよ。
「なので~」から文を始めるのはNG?
×「私は将来海外で働きたい。なので英語を勉強している。」
×「Aさんは欠席です。なので私が代理で対応する予定です。」
上記のような言い回しをたまに耳にしたり、文章で見かけたりすることがあるかもしれません。しかし実は、「なので」を文頭(文の初め)にもってくるのは誤りです。「なので」は、「だから」「そして」「つまり」のような独立した接続詞ではなく、断定の助動詞「だ」に原因・理由・根拠・動機を表す接続助詞「ので」がついた連語だからです。
なお連語とは、二つ以上の単語が連結して、一つの単語と似たような働きをもつもののこと。通常、連語は接続詞としては使われません。近年、「なので」が「だから」のような接続詞と同じように文頭で使われることも増えつつあります。しかし、連語である「なので」を独立した接続詞のように使うことは、正しいとはいえないのです。
「なので」をうまく言い換えるには?
以下2点のいずれかの方法で、文章を組み立てるようにしましょう。
①2文を1文にする
〇「私は将来海外で働きたいので、英語を勉強している。」
〇「Aさんは欠席ですので、私が代理で対応する予定です。」
②「なので」をほかの接続詞に言い換える
〇「私は将来海外で働きたい。そのため英語を勉強している。」
〇「Aさんは欠席です。つきましては、私が代理で対応する予定です。」
①のような、「AなのでBだ」といった使い方は問題ありません。1文にすると文章がスッキリしますね。また、ビジネスシーンなど敬語を使う場面では、「AなのでBです」でも誤りではありませんが、「AですのでBです」「AですからBです」と言い換えた方がより丁寧です。
②のように独立した接続詞に言い換える方法は、1文にまとめると文章が長くなってしまう場合にもおすすめ。「そのため」「したがって」「よって」「つきましては」「ですから」など、文頭に使える接続詞をいくつか覚えておくと便利ですよ。
<参考>
・「なので」の言い換えを書き言葉・話し言葉別で解説!正しい意味と使い方を理解しよう - ユニキャリ - 学生のための就活応援メディア|Powerd by 洋服の青山
話し言葉でも、文頭で「なので」を使うのはなるべく避けよう
もしかしたら、話し言葉なら文頭に「なので」があっても気にならない、という人もいるかもしれません。しかし、相手の間違った日本語や言葉遣いが気になる人は意外と多いもの。
ちなみに文頭の「なので」について、「自分でも言うことがある」という人は若い世代に多いそう。対して、中高年層では約半数が「この言い方には問題がある」と考えるようです(参考:「なので」の使い方・文頭では世代によって違和感も-NHK)。プライベートでは問題のない表現でも、ビジネスシーンなど、改まった場面やさまざまな年代の人とかかわる場面では「なので~」と話し出すのは避けた方が無難といえるでしょう。ぜひ今日から少しずつ気を付けてみては?