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いい人なのに仕事ができない!行動力あるのに成果が出ない!そんな人との正しい接し方、話し方

横山信弘経営コラムニスト

「いいですね!やりましょう」

「え? 本当に分かってる?」

「はい。分かってます」

「何が分かってるの?」

「……ええっと」

「分からないのに『いいですね、やりましょう』と言ったわけ?」

「すみません……」

あなたの周りに、何も考えずに同調したり、意思決定したりする人はいないだろうか? 極端に書くと、リーダーが「私はAだと思う」と言えば、

「私もAでいいと思います」

と賛同し、「やっぱりBかもしれないな」と言えば、

「私もBじゃないかと思いました」

と考えを変える。「自分」という芯がないように見え、周りからは頼りない印象を受ける人だ。しかし、このような感覚的でお調子者の存在は、組織運営においてとても大切な存在だ。今回は、このようなタイプの人とどう付き合ったらいいのか、どう話したら「その気」になり、ならないのか。徹底解説していく。ぜひ最後まで読んでもらいたい。

<目次>
■感覚的で調子がいい人の「素晴らしい貢献」2選
 (1)ファーストペンギン
 (2)ムードメーカー
■感覚的で調子がいい人の残念な2つの特徴
 (1)論理思考力が低い
 (2)言語力が低い
■リーダーを最も悩ます大きな問題とは?
■絶対にやってはいけない接し方、話し方
■その気ポイントは「空間演出」と「ボディランゲージ」
■キーワードは「感謝&プッシュ」

■感覚的で調子がいい人の「素晴らしい貢献」2選

このタイプの人たちの一番の特徴は、「期待最大化思考」を持っていることだ。滅多にいない貴重な存在と言っていい。リーダーが何か新しいチャレンジをしようと言えば、キラキラした目で賛同する。ポジティブな期待で胸を膨らませるのだ。

多くの組織メンバーは「不安最小化思考」に陥りがちだ。「長い物には巻かれろ」的な思考なので、周りの様子をうかがう。自分ひとりがリーダーの意見に賛同して浮いてしまうのが怖いからだ。

さて組織の中で、このような感覚的で調子がいい人は、どのような貢献をしてくれるのだろうか? 代表的なものを2つ紹介しよう。

(1)ファーストペンギン
(2)ムードメーカー

1つ目がファーストペンギンだ。

ファーストペンギンとは、リスクをとって最初に挑戦する勇気ある人を指す。ペンギンは氷上で群れをなして行動しているが、海に飛び込む際、最初の一羽が捕食者に襲われるリスクを負う。この最初に飛び込むペンギンのことを「ファーストペンギン」と呼ぶのだ。

わかりやすく例えるなら、「最初に手を挙げる人」と言えるだろう。

課長がメンバー30人集めて勉強会を主催した。他部署のエンジニアに新商品の技術的なポイントを1時間ほどかけてレクチャーしてもらったのだ。その際、課長が、

「何か聞きたいことはないか?」

「誰か、質問してくれよ」

こう呼びかけても、誰も手を挙げない。本当は聞きたいことがたくさんあるけれど、30人もいるとなかなか手を挙げづらい。よくある光景だ。このようなシーンで、最初に手を挙げるのがファーストペンギンである。

目的は、質問に答えてもらうことではない。自分が口火を切ることで、みんなが質問しやすくなる空気を作ること。誰かが最初にいかなくちゃいけないから「まずは自分から」という思考があるのだ。

2つ目がムードメーカーである。

わかりやすく例えるなら、「幹事大好き人間」と言えるだろう。

会社の忘年会や社員旅行の幹事を買って出る人を想像してみよう。彼ら彼女らは、面倒な調整や準備を嫌がらず、むしろそれを楽しんでいるように見える。参加者全員が満足するように、細かいところまで気を配る。

組織では、雰囲気作りの名人として欠かせない存在だ。

「課長、私がAさんとBさんに声をかけておきます」

「悪いな。俺が言うと、どうしてもプレッシャーを与えてしまうみたいだから」

「ここは私に任せてください」

落ち込んだ空気を盛り上げたり、ギスギスした空気を緩めてくれたりする。こういった行動が、チーム全体の成果に大きく貢献するだろう。

■感覚的で調子がいい人の残念な2つの特徴

行動の速さと決断の早さが、このタイプの人の特徴だ。しかし短所もある。主に2つだ。

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経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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