イチローに続く史上3人目の「新人王&MVP」となるのか。30-30のペースでOPSはリーグ1位
今シーズン、コービン・キャロル(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は、チームの75試合中72試合に出場し、打率.298と出塁率.381、16本塁打と21盗塁、OPS.962を記録している。
ホームランと盗塁は、このままのペースなら、30-30あるいは30-40となる。また、ダイヤモンドバックスが6月21日の試合を終えた時点で、OPSはナ・リーグのトップに位置している。
キャロルは、22歳のルーキーだ。2019年のドラフトで全体16位指名を受け、昨年8月にメジャーデビューした。
今のところ、ナ・リーグに、新人王の投票でキャロルを凌ぎそうな選手は見当たらない。ちなみに、千賀滉大(ニューヨーク・メッツ)は、先発13登板で奪三振率10.98と与四球率5.17、防御率3.53とFIP4.25だ。
新人王だけでなく、キャロルは、MVPを受賞してもおかしくない。
ただ、ナ・リーグには、ロナルド・アクーニャJr.(アトランタ・ブレーブス)がいる。こちらは、73試合で打率.327と出塁率.403、15本塁打と31盗塁、OPS.961だ(6月21日のブレーブスの試合は、まだ始まっていない)。
現時点でMVP投票が行われるとしたら、キャロルとアクーニャJr.をトップ2に挙げる記者は多いと思うが、どちらに1位票を投じるのかは、迷うところだろう。
同じシーズンに新人王とMVPを受賞した選手は、1975年のフレッド・リンと2001年のイチローしかいない。当時、リンはボストン・レッドソックス、イチローはシアトル・マリナーズでプレーしていたので、今シーズン、キャロルが新人王とともにMVPも手にすれば、ナ・リーグでは初となる。
新人王投票でもMVP投票でも、リンは、2位に大差をつけた。一方、イチローは、CC・サバシアを大きく引き離して新人王に選ばれたものの、MVPは僅差。2位のジェイソン・ジアンビとの差は、8ポイントしかなかった。289ポイントと281ポイントだ。
なお、アクーニャJr.は、5年前に新人王を受賞している。この年のMVP投票では、12位に位置した。