大人の日帰りウォーキング 街道ウォーキングを楽しむ私に暇なの?と聞く友人伝えたい 決して暇でない理由
私は子育てを卒業するころより歩く旅を楽しんでいます。
登山や街歩きも楽しんでいますが、江戸時代に造られた五街道である東海道や中山道、甲州街道を江戸東京日本橋を出発して歩いており、京都の三条大橋までたどり着きたいと思っています。
そのことを人に話すとたいてい言われる言葉があります。
やばい、すごい
ほとんどの人に言われるのは驚きの言葉です。
それもそのはずで、東京から京都までの距離は500km以上もあり、現代では人間が歩こうと思う距離ではありません。そして、新幹線に乗れば2時間強で移動できるし、近い将来にリニア新幹線が開通すれば、途中の名古屋までは40分で移動できる世の中になりました。それなのにわざわざ歩いて移動する理由はもちろん、意味が解らないと感じるのは当然の話です。
本当に歩けるんだ…
これも良く言われる言葉の1つです。
江戸時代に造られた旧街道が現代でも実際に歩けるのかと、疑問に思うのも当然の話です。私も五街道歩きを始めようとしたときには、同じように思いました。
人々が交通機関を使って移動するようになるのは明治時代以降であり、それまでは人間の移動手段は自分の足なので(馬や牛もありましたが…)、街道は、人間が歩いて旅をするのに効率が良いように整備されました。
交通機関が発達するとともに、旧街道は道路幅が広げられたり、場所によっては人々が多く住む街道沿いの宿場を少し離れて通るように道路や鉄道が整備されていきました。当時に難所と言われた場所では、川を船で渡っていた場所には橋が架けられ、山を越える峠にはトンネルが掘られたり、別の峠や場所を通るように整備されました。だから、今でも旧街道が残っていて本当に歩けるのかと疑問に思ってしまうのです。
当時と全く同じではありませんが、旧街道は随所に残っているので本当に歩けています。
暇なの? 暇じゃないけれど…
暇なの?と聞く人の気持ちはわからない訳ではありません。そうですよね。
移動手段として考えれば、東京から京都までは新幹線に乗れば2時間で移動できるのに、わざわざ歩いて移動するのは忙しい現代人にとって理由がありません。しかも、江戸時代の足腰が鍛えられた人々は1日に30km~40kmを歩き続けて約2週間かかって移動しています。軟弱な現代人が同じように出来るはずもなく、それ以上の日程がかかってしまいます。
ですが、暇ではないのです。時間を作って歩く旅を楽しんでいるのです。
新幹線の車窓から観る景色も好きですが、じっくりと歩いて旅をしながら眺める景色も美しいものです。当時の旅人と同じように山道を歩いて峠を越えるのも風情がありますし、道中に造られた一里塚を見つけながら歩くのも楽しいものです。
昔は移動手段であった歩く旅を現代で楽しむ理由の1つは、その場所や地域をじっくりと楽しみながら思いをはせる事かもしれません。
私は、街道を歩く旅をしながらその場所の山や谷などの地形を観るのが好きであり、その時間を楽しんでいます。