東京でさくら開花も三連休明けは雪の可能性がある寒さに
東京でさくら開花
令和3年(2021年)12月のクリスマス寒波以降、西高東低の冬型の気圧配置が続いて強い寒気が南下し、全国的に寒い日が続きました(図1)。
日最高気温が氷点下という真冬日は、12月26日には気温を観測している全国914地点のうち407地点(約44パーセント)で観測しました。
また、日最低気温が氷点下という冬日も、クリスマス寒波以降、全国の80パーセントを超す日も時々あらわれています。
しかし、真冬日は2月下旬からは10パーセントを大きく下回るようになり、冬日も60パーセント前後に減っています。
そして、その冬日も現在では30パーセント前後にまで減っています。
この真冬日や冬日を観測した地点数が大きく減少したのは、西高東低の冬型の気圧配置はゆるみ、寒気の南下が弱まってきたからです。
これに呼応するように、各地からさくら開花の便りが届き始めました。
気象庁の有人官署では、構内に植えられている、あるいは近くの公園等に植えられているさくらのうち、特定の木を標本木として開花や満開を観測しています。
気象庁でいうさくらは、ほとんどの地方はソメイヨシノですが、ソメイヨシノの少ない沖縄ではヒカンザクラ、北海道の一部ではエゾヤマザクラ等です。
いずれも、各地方に標本木として指定されたさくらの木があり、5 〜6輪以上の花が開いた状態になった日が桜の開花日、80%以上花が開いた状態を満開としています。
例年のさくらの開花は、1月中旬頃に沖縄・奄美地方のヒカンザクラの開花で始まります。
ソメイヨシノの開花は3月下旬に九州地方、中国地方、四国地方、近畿地方、東海地方、関東地方、4月10日には北陸地方、東北地方南部に達します。
令和4年(2022年)のさくら開花は、1月11日の那覇市で平年より早く始まりました(表)。
その後、沖縄県の先島諸島は、平年より遅かったものの、1月中に沖縄・奄美地方でさくらの開花が終わりました。
関東から西の太平洋側の地方では、全国でトップに桜が咲くのは何処かかということが大きな話題になります。
全国トップといっても、気象庁の有人官署での観測で、沖縄・奄美地方を除いての話ですが、全国的に大きなニュースとして取り上げられます。
令和4年(2022年)も、3月17日に福岡市でソメイヨシノが開花し、大きなニュースとなりました。
三連休の中日の3月20日(日)に、東京でさくらの開花が発表となるなど、各地でさくらの開花が相次いでいますし、今週は西日本や東日本でさくらの開花ラッシュとなりそうです(図2)。
しかし、これで暖かい春がきたわけではありません。
寒の戻り
三連休明けの3月22日(火)は、西日本の南海上を低気圧が東進する見込みです(図3)。
いわゆる南岸低気圧ですが、今回は、上空の寒気が東海上に抜けつつあるときの接近です。
関東地方の平野部で、雨になるのか、雪になるのかの目安は、上空の気温です。
上空約1500メートルの気温が氷点下6度以下なら雪、それよりも高いと雨という目安です(図4)。
現段階の予想では、上空約1500メートルの気温が氷点下3度ですので、雨の可能性が高いと考えられますが、寒気の交替が少し遅れれば、あるいは、1500メートル以下の下層に薄く寒気が入っていれば雪の可能性もあります。
図5は専門的な図ですが、東京都の平野部における天気の確率を数値予報という手法で計算したものです。
これによると、3月22日は、雨の確率が一番高いのですが、雪の確率(図では白で表示)や、みぞれの確率もゼロではありません。
これは、東京都の平野部の予想ですので、標高の高い所では、雪やみぞれの可能性が高くなります。
また、図5の右側の古い予報では、雪の確率がかなり高かったように、予報するたびに確率が変わり、予報が安定していませんので、最新の予報にご注意ください。
予報が難しいケースですが、雪が降らないにしても、雪が降りかねない冷たい雨ですので、厳しい寒さの三連休明けになりそうです。
暖かい春はいつ?
東京の最高気温の予想を見ると、南岸低気圧が通過する3月22日は、最高気温、最低気温共に平年を下回り、最高気温は10度位までしかあがらない寒い日の予想です(図6)。
しかし、この寒の戻りは一時的で、南岸低気圧の通過後は、気温が平年より高くなります。
3月に入り、暖かい日と寒い日の差が大きくなっていますので、体調には十分気をつけてください。
暖かい春は、すぐそこまできています。
タイトル画像の出典:高橋和也氏撮影・提供。
図1、表の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図2、図4、図5の出典:ウェザーマップ提供。
図3の出典:気象庁ホームページ。
図6の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。