「テレホタイム」話題に mineoが夜間使い放題の新オプション
2月20日、MVNOサービスの「mineo(マイネオ)」が、深夜早朝に速度制限なしでデータ通信が使い放題となる新オプション「夜間フリー」を発表しました。
このオプションの対象は22時半から7時半となっていることから、かつて一世を風靡した「テレホタイム」を連想する人が続出しているようです。
夜間に使い放題、速度制限も解除
夜間フリーとは、夜間の利用はデータ容量にカウントせず、また速度制限についても解除するという月額990円のオプションサービスです。
mineoの料金プランである、1GBや5GBなどデータ容量ごとの「マイピタ」や、最大1.5Mbpsなど速度制限のある使い放題プラン「マイそく」と組み合わせて利用できます。
mineoのようなMVNOが夜間に安くサービスを提供できる理由としては、昼間に比べてデータ通信量が少ないことが挙げられます。
スマホの利用は昼休みや通勤・通学の時間帯がピークです。MVNOは大手キャリアから帯域を借りて運営していますが、それ以外の時間は帯域を余らせていることになります。
その余っている時間帯の利用を増やし、トラフィックを平準化することがサービス品質の確保に重要であるとmineoは説明しています。
他社の事例としては、nuroモバイルが深夜1時から6時に無制限となる「深夜割」を提供した際にも平準化を狙いとして挙げていました。
この夜間フリーの対象となる時間帯は「22時半から7時半」ですが、これが1995年に登場した定額制の通話料金割引サービス「テレホーダイ」の時間帯(23時から8時)と重なっていることがSNSで話題になっています。
かつて電話回線を利用したダイヤルアップ接続でパソコン通信やインターネットを使っていた時代には、市内のアクセスポイントまで3分10円(当時)という従量制の通話料金を払う必要がありました。
さらにパソコン通信の場合、NIFTY-Serveの料金は低速のROAD2で1分10円(当時)でした。つまりオンラインにいる間は、NTTとニフティの両方に従量制料金がかかっていたわけです。
当時中学生だった筆者はチャットにハマり、我が家に毎月数万円の請求書が届くようになったことで、親からのコスト削減要求は日に日に高まるばかりでした。そこで登場したのが夜間は月額1800円で使い放題となるテレホーダイだったわけです。
やっていたことは現在のTwitterやDiscordと変わらないのですが、テレホーダイは毎日23時に始まることから、その時間になるとみんなが一斉にオンラインになり、チャットルームなどに集まるというメリットがありました。
一方で、深夜までオンラインで活動することになり、寝不足になったり学校や会社での遅刻が増えたりする弊害もありました。その後も定額料金のADSLなどが普及するまで、テレホタイムは活況を呈していた記憶があります。
mineoに話を戻すと、月額990円で最大1.5Mbpsのマイそく(スタンダード)に月額990円の夜間フリーを組み合わせると、夜間に使い放題の回線を月額1980円(税込)で持てることになります。
マイそくには「3日間で10GB」の通信量制限がありますが、夜間フリーはこの制限についてもカウント対象外としています。
使い方の例としてmineoが挙げているのは、自宅にWi-Fi環境(固定回線)がない人が夜間にスマホやPCのOSをアップデートする、夜間にコンテンツをダウンロードして日中に見る、といったものです。また、夜間中心のライフスタイルの人に加えて、早朝出勤の人にもおすすめできるとしています。
新サービスで攻めるmineo
ほかにもmineoは、春から新サービスを続々と投入する構えです。先日取り上げた「広告フリー」オプションのほかに、「マイそく スーパーライト」にも注目が集まっています。
スーパーライトでは、データ通信速度が常時32kbpsに制限されます。データ通信はほとんど期待できないものの、音声通話に対応しながら月額250円という安さが特徴となっています。
au回線なら、povo2.0が基本料0円から利用できるとはいえ、ドコモやソフトバンクの回線を安価に持ちたい人にとってはこれまでにないサービスといえます。1回330円で24時間のデータ使い放題も追加できます。
いざというときに備えて複数キャリアの回線を持っておきたい人にとって、安価に実現できる選択肢の1つになりそうです。