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鈴木誠也のエラーでカブスは逆転負け。ワイルドカード3位にいるものの、ブルワーズの地区優勝が決まる

宇根夏樹ベースボール・ライター
鈴木誠也(シカゴ・カブス)Sep 26, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月26日、鈴木誠也(シカゴ・カブス)は、2回表のシングル・ヒットに続き、3回表に三塁打を打ち、走者2人を生還させた。けれども、鈴木のエラーにより、カブスは逆転され、そのまま敗れた。

 アトランタ・ブレーブスに追い上げられながらも、カブスの1点リードで迎えた8回裏。この回から登板したドルー・スマイリーは、2死二、三塁の場面でショーン・マーフィーを外野フライに討ち取り、無失点でイニングを終わらせた……ように見えた。

 センターのピート・クロウ-アームストロングを制し、ライトの鈴木が落下点に入った。ところが、鈴木が差し出したグラブに、打球は触れもせずに落ちた。

 9回表、鈴木は、1死一塁の場面でライセル・イグレシアスに三振を喫した。次の打者も三振に仕留められ、試合は終わった。

 この黒星により、ミルウォーキー・ブルワーズの地区優勝が決まった。この日はブルワーズも敗れたものの、すでに88勝を挙げている。ナ・リーグ中地区でブルワーズに次ぐカブスは、残る5試合がすべて白星でも、87勝にとどまる。

 カブスが9月26日に勝っていても、ブルワーズは、遅かれ早かれ、地区を制していただろう。ブルワーズとカブスは、6ゲーム離れている。

 また、カブスは、ポストシーズン進出圏内に位置している。ワイルドカード・レースの3位だ。

 ただ、すぐ下の4位にいるマイアミ・マーリンズとの差は、0.5ゲームしかない。カブスが82勝75敗、マーリンズは81勝75敗。黒星の数は、まったく同じだ。

 しかも、カブスは、マーリンズだけでなく、2位のアリゾナ・ダイヤモンドバックス(83勝74敗)と5位のシンシナティ・レッズ(81勝77敗)にも、負け越している。

 162試合を終え、この4チーム中2チームがワイルドカード・レースの3位に並んだ場合、カブスは、どのチームとタイでも、ポストシーズン進出を逃すことになる。

 それについては、こちらで書いた。

「ワイルドカードの3位タイだと、カブスはポストシーズンに進めない!?」

 8月以降、鈴木は、OPS1.000以上を記録している。7月を終えた時点で、カブスは53勝53敗だった。鈴木がいなければ、カブスの浮上はなかったかもしれない。けれども、あと1勝が足りず、ポストシーズンにたどり着けなかった時は、鈴木のエラーがクロース・アップされることになりかねない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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