ちょいと捻りの効いた「柏餅」はいかが?味噌餡に込められた願いと春の味覚を見つけて。
埼玉県に本店を構える「菓匠花見」さんは、日本橋三越本店にも常設店を構えていらっしゃいます。
定番の白餡やこし餡だけではなく、春は桜餡などバラエティ豊かな餡玉にミルクやお砂糖でコーティングを施した銘菓「白鷺宝」をはじめ、色彩鮮やかな季節の練り切りや日本橋三越本店限定の雷音最中といった和菓子が揃う和菓子屋さんです。
今回は、菓匠花見さんの「柏餅」を定番のこし餡と味噌餡にてご紹介。
こちらの味噌餡がまたちょっと変化球なんです。和食、には馴染みのある食材でも、和菓子、となるとなかなか巡り合う機会の少ない食材ではないでしょうか。
今がまさに旬の、あの山菜です。
「こし餡」の形はマイルドな兜型、柔らかくて穏やかな気持ちになれる形に成形されています。なだらかな曲線を描いているのも印象的ですね。
やや薄く仕立てられた餅皮にたっぷりのこし餡が包まれており、むちっと歯切れのよい食感も特徴的です。
ぽてっとしたこしあんのまろやかな味わいが、柏の葉の清涼感をより際立たせてくれる王道スタイル。
ほんのり桃色にそまった「味噌餡」の生地には、こちらも白味噌を使用したあんこがたっぷり!淡い色合いとは裏腹に、塩気も効いたメリハリのある味わい。お茶がすすみます。
そして、菓匠花見さんの味噌餡の特徴は、なんといっても細かく刻まれた「たけのこ」が混ぜこまれていること。柏餅と筍と味噌餡…?と思うかもしれませんが、心配はご無用。水煮なので変な主張もせず、こりこりとした食感のアクセントと共に、遠くでふんわりと漂う筍の香り。味噌の味わいがはっきりとした餡と筍が綺麗に調和しています。
筍は発芽してから約10日間で竹に成長するともいわれていますね。
空に向かって真っすぐ、ぐんぐん伸びていく筍のように、子供たちの健やかな成長に願いを込めた菓匠花見さんの粋な心遣いです。
このほか、蓬入りの餅生地の粒餡のご用意も。
きらりと個性のひかる味噌餡の柏餅も、こどもの日の選択肢にいれてみてはいかがでしょうか。