猫が爪とぎをする4つの理由!猫飼育歴14年の実体験から導いた、家具を爪とぎから守る対策とは?
猫を飼っていると、「爪とぎ」に悩まされることがあります。とくに家具や壁が爪とぎの対象になると、お気に入りのものだろうがボロボロにされて頭を抱えることでしょう。
しかし爪とぎをするのも猫なりの事情があるからで、家具を守るためにも、飼い主はそれを理解してしかるべく対策を講じなければいけません。
そこで今回は、猫が爪とぎをする理由を4つと、私の14年の猫飼育経験をもとにした効果的な爪とぎ対策を紹介します。愛猫の爪とぎに悩む飼い主さん、ぜひ参考にしてください。
1.猫が爪とぎをする理由4つ
1‐1.マーキングをするため
猫が爪とぎをする理由のひとつが「マーキング」です。マーキングとは、猫が自分の存在を他の猫や動物に知らせるための行動のこと。
猫が爪とぎを行う表面に引っかき傷や自分のニオイが残るので、他の猫や動物に「ここには他の猫がいる」というサインを送ることができるのです。
猫の前足にはフェロモンを分泌する腺があって、爪とぎを行うことでこれらの腺から分泌されたフェロモンの匂いが残るという仕組みです。
このにおいは他の猫に対して強力なメッセージとなり、自分の存在や縄張りを知らせる手段となります。
1‐2.爪を鋭くするため
猫が爪とぎをするのは「爪を鋭くする」という目的があります。狩猟動物である猫にとって、爪はとても大切なもの。定期的なメンテナンスが欠かせません。
実は猫の爪は角質でできており、玉ねぎのような層となっています。そして時間が経つにつれて外側の層が古くなって、爪の新しい爪の成長を妨げることがあるのです。
そのため猫は古い層を剥がし、新しい爪を露出させるのですが、この時行う行為が爪とぎなのですね。
1‐3.ストレス発散のため
猫が爪とぎをする理由に「ストレス発散」があります。爪とぎは、猫の心理的な安定を保つためにも重要な役割を果たしているのです。
猫は非常にストレスに敏感な動物であり、環境の変化や新しい刺激に対してストレスを感じやすい生き物です。
たとえば引っ越しや新しい家族の追加、家具の配置変更、飼い主とのコミュニケーション不足など、さまざまな要因が猫にとってストレスとなります。
このような状況になると、猫はストレスや不安な気持ちを紛らわすための行動を取りますが、そのひとつが爪とぎなのです。
1‐4.転移行動として
猫が爪とぎをする最後の理由に「転移行動」があります。
転移行動とは猫が本来の目的や欲求を直接満たせない状況で、憂さ晴らしとしてとる行動です。たとえばジャンプに失敗した・飼い主に怒られた・強い猫に怒られたなど。
人でいう「やけ食い」ですね。その転移行動として、爪とぎをするケースもあります。
2.家具を爪とぎから守る対策とは?
まず知っておいてほしいことは、猫の爪とぎは本能なのでやめさせられないということです。
そのため爪とぎを『やめさせる』のではなく、爪とぎの『場所をコントロールする』というイメージで対策をしましょう。
2‐1.守りたい家具には爪とぎ防止シートを貼る
まず爪とぎをしてほしくないものは、物理的に爪とぎから守ります。床やかべもシートで覆えば、爪とぎから守ることができるでしょう。
さまざまな商品がネット上でも購入できるので、一度試してみるのもおすすめです。
2‐2.爪とぎの設置場所を工夫する
猫がきちんと爪とぎ器で爪とぎができるように、猫が爪とぎしやすい場所に設置することも大切です。
たとえば…
・よく爪をとぐ場所
・落ち着ける場所
・木や木製の家具の近く
など
さらに爪とぎ器を複数設置しておくのもいいでしょう。猫が家具や壁等ではなく、爪とぎ器で爪とぎをしたくなるような工夫も大切です。
2‐3.猫が好きな素材の爪とぎ器の材質を見つける
猫が爪とぎ器を選ぶ際に、重要としていることのひとつが素材です。
猫によってそれぞれ好みが異なるため、さまざまな素材の爪とぎ器を用意して、猫がどの素材を好むのか研究しましょう。
爪とぎ器の素材には、主に次のようなものがあります。
・段ボール
段ボールは猫にとってポピュラーで、リーズナブルな爪とぎ器の素材です。段ボールは、適度な硬さがあり爪を研ぎやすく、猫がにおいを好む傾向にあります。
・木製
木製爪とぎ器は、耐久性が高く長持ちします。また、木目によって様々な感触を楽しむことができるのだとか。ただし価格は高め。
・ロープ
ロープ爪とぎ器は猫が引っ張ったり、登ったりして遊ぶことができるので、運動不足解消にも役立ちます。
・カーペット
カーペット爪とぎ器は爪の引っかかりがよく、猫が体をこすりつけてにおいをつけられるので好む猫も多いです。
・麻製
硬めの素材でしっかり爪をとぐことができます。ただし麻のニオイが苦手な猫もいるので注意が必要です。
さらに床に平置きタイプがよいのか、ポールなど立ってとぐタイプがよいのかといった点にも考慮してみましょう。
2‐4.ボロボロになったら新調する
爪とぎは一生ものではなく消耗品なので、古くなったら新調してあげましょう。
爪とぎ器の表面が大きく破れたり、削れたりしている場合や爪とぎの使用頻度が落ちたら新調するサインです。
とくに段ボール製の爪とぎ器は早く劣化するため、頻繁にチェックしましょう。
爪とぎ器が使い古されてボロボロだと、爪が引っかかりにくくなるため、猫が納得する爪のメンテナンスができなくなります。
そうなると、猫はより良いとぎ場所を探すようになり、家具や壁が次の標的になるかもしれません。
そのため爪とぎ器を適切なタイミングで新調することは、猫の本能的な爪とぎ行動を維持し、家具を守るための効果的な方法といえるのです。
3.まとめ
猫が爪とぎをするのは、猫の本能的な行動であり完全に止めることはできません。
しかし今回紹介した内容を参考に、猫の爪とぎの理由を理解し、適切な対処で家具を守ることができるでしょう。
猫との暮らしをより豊かにするために、猫の習性を知って、猫にとって居心地の良い環境を作ることも飼い主の役目です。