38歳で37本塁打のFAにフィットするチームはどこ?
シアトル・マリナーズからFAになったネルソン・クルーズは、今年7月に38歳の誕生日を迎えた。けれども、パワーに衰えの兆しはない。ここ5年とも35本塁打以上はクルーズしかおらず、トータルの203本は2位のジャンカルロ・スタントン(現ニューヨーク・ヤンキース)より15本多い。今シーズンは、両リーグ9位タイの37本塁打を打った。ちなみに、38歳以上(シーズン終了時)でクルーズより多くのシーズン本塁打を記録した選手は、8人(延べ11人)しかいない。
守備は得意ではなく、ここ2年に外野手として出場したのは計9試合だ。一塁は一度も守ったことがない。そのため、DH制を採用するア・リーグに限られるが、38歳のスラッガーにフィットするチームはある。
まず考えられるのは、DHのポジションが空き、来シーズンのポストシーズン進出をめざすチームだ。エバン・ギャティスがFAになったヒューストン・アストロズが、これに当てはまる。
また、今シーズンのミネソタ・ツインズでは、1年650万ドルで契約したローガン・モリソンが大外れに終わり、DHを固定できなかった。3人がDHとして32~35試合ずつ先発出場し、そのうち、チームに残っているのはロビー・グロスマンだけだ。ツインズはモリソンの球団オプションを破棄。ジョー・マウアーは引退した。
30本塁打のC.J.クロンをロースター外としたタンパベイ・レイズも、クロンの後釜にクルーズを迎え入れようとするかもしれない。さらに、少し疑問符もつくが、2019年あるいは2020年の再建完了をめざし、シカゴ・ホワイトソックスが動く可能性もある。
残る11チームは、DHが確定しているか、再建を終えるには数年かかりそうなので、クルーズとの契約には動かないだろう。例えば、ボストン・レッドソックスにはJ.D.マルティネスがいる。マリナーズは後者だ。正捕手のマイク・ズニーノとエースのジェームズ・パクストンを手放しながら、大ベテランと再契約するのは理屈に合わない。今オフの動きはまだありそうだが、現時点のメンバーからすると、DHと一塁には、ダニエル・ボーグルバック、ライオン・ヒーリー、ロビンソン・カノーの3人を起用すると思われる。
なお、クルーズと契約したチームはドラフト指名権を失わず、それによってマリナーズが指名権を得ることもない。過去にクオリファイング・オファーを申し出られたクルーズは、シーズン途中の移籍がなくても対象外だ。