NBAスター選手の「台湾は国」発言に怒る中国人
アメリカのプロバスケットリーグNBAのスター選手が、台湾を「国」と表現したことに対し、中国のネット民が反発している。選手に対し謝罪を求める声まで上がる。
台湾愛を語るスター選手に中国人が反発?
「台湾に来て以来、この国に対して全く新しい認識をもった」
そう話し、中国ネット民の攻撃対象となっているのはドワイト・ハワード選手。ハワード選手は、NBAのロサンゼルス・レイカーズの主力などとして活躍したスター選手。去年、台湾のチームへの移籍を発表し、現在は台湾のプロリーグでプレーしている。
ハワード選手は、市民が台湾の総統府に宿泊体験できるというイベントの宣伝動画に出演。現在活躍の場となっている台湾への愛をノリノリで語った後、国を意味するカントリーという単語を用いて冒頭のセリフを英語で述べた。
動画には、与党民進党の頼清徳副総統も、ハワード選手に演技指導するディレクターに扮して出演。総統府に一泊して食事もできるというイベントを紹介されて「自分の国でもそんなことができるかどうか分からない」と驚くハワード選手に、頼氏が次のように返答し、再び国という単語が使われる一幕もある。
「それは台湾が自由な国だからです」
スター選手の発言に中国人ファンは傷ついた?
頼氏は、来年行われる総統選挙に民進党の公認候補として出馬することが決まっていて、台湾を「実質的に独立した主権国家」と公言している。中国側からすれば許しがたい“台湾独立派”で、絶対に総統になって欲しくない人物。ハワード選手がそんな頼氏と共演したことも、中国のネット民の神経を逆撫でしたようだ。
「中国のネット民に謝罪すべきだ。ブラックリストに入れて、永遠に中国への入国を許すべきではない」
「中国のいかなる場所でも彼の名前や映像を出さないよう望む」
ハワード選手の“問題発言”を報じるニュースに対し、中国のネット民はハワード選手への非難を書き込んでいる。
他にも「NBAに中国市場を失わせるべき」という中国の戦狼外交さながらの強気な態度をみせる声や、「台湾は永遠に中華人民共和国の一部分」という中国政府の見解に呼応する声を上げている。
NBAは中国でも人気なだけに、台湾でいかにも楽しげに振る舞うスター選手の“問題発言”に中国のファンも傷ついたのかもしれない。