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大谷翔平が今年もMVPなら「連続負け越しのチームで続けて受賞」は過去にいた!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
大谷翔平/右はデビッド・フレッチャー Aug 17, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 これまで、ナ・リーグとア・リーグにおいて、続けてMVPを受賞した選手は、延べ14人を数える。バリー・ボンズが2度。1992~93年の2年連続と、2001~04年の4年連続だ。他の12人は、いずれも2年連続。移籍を挟んで連続受賞も、1992~93年のボンズだけだ。1992年のオフにピッツバーグ・パイレーツからFAになり、サンフランシスコ・ジャイアンツと6年4375万ドルの契約を交わした。

筆者作成
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 今年、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)がMVPに選ばれれば、2012~13年のミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)に続く、延べ15人目の連続受賞となる。現時点において、その可能性があるのは大谷のみ。昨年、ナ・リーグのMVPに選出されたブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、6月下旬から離脱している。復帰は、今月下旬か来月初旬になりそうだ。

 大谷の活躍がありながら、エンジェルスは低迷している。昨シーズンは、勝率.475(77勝85敗)。今シーズンも、ここまで勝率.433(52勝68敗)なので、負け越しの可能性は、かなり高い。勝率.500(81勝81敗)でシーズンを終えるには、ここからの42試合で勝率.690(29勝13敗)以上が必要だ。

 負け越したチームからのMVPは、昨年の大谷が延べ9人目だが、連続受賞の14人中、どちらのシーズンもチームが負け越したのは、1958~59年のアーニー・バンクスしかいない。2001~04年のボンズの場合、ジャイアンツは4シーズンとも勝ち越している。

 バンクスは、1953年から1971年まで、シカゴ・カブス一筋にプレーした。MVPを続けて受賞したシーズンにおける、カブスの勝率は、1958年が.468(72勝82敗)、1959年は.481(74勝80敗)だった。この両シーズンは、1953~62年に記録した、10シーズン連続負け越しの6シーズン目と7シーズン目に当たる。現在のエンジェルスは、2016年から6シーズン続けて負け越し中だ。そして、7シーズン連続負け越しに近づきつつある。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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