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主婦層78%が「今後も活用したい」オンライン面接 就活生や企業にもメリット

やつづかえりフリーライター(テーマ:働き方、経営、企業のIT活用など)
(写真:ペイレスイメージズ/アフロイメージマート)

6月は、大企業を中心に多くの会社が新卒採用の面接を本格的にスタートさせる時期です。

トヨタは2021年春入社の新卒採用は最終選考まで含めて全てオンラインで実施し、学生と直接会うことなく内定を出すそうです(参考:トヨタ、新卒採用でオンライン面接 直接会わず内定も(朝日新聞デジタル))。

NHKが先月100社を対象に行ったアンケートによると、9割の会社が新卒採用でオンライン面接を実施すると回答しています。そのうち44.9%は、トヨタ同様オンライン面接のみで内定を出す予定とのことです。

新型コロナウイルスの感染拡大という局面で実施企業が増えたオンライン面接ですが、学生だけでなく就・転職活動をする様々な人、そして企業にとっても大いにメリットがあり、今後さらに浸透していくものと思われます。

オンライン面接が就活生にとって嬉しい理由

オンライン面接は、インターネット接続などの環境を整えなければいけない、PCの画面越しで相手の反応が掴みづらい、といった難しさもあります。

しかし、同じ時期にたくさんの企業にアプローチする就活生にとって、移動することなく自宅から面接を受けられることは「時間の節約」という面で大きなメリットでしょう。

「交通費の節約」というメリットもあります。説明会や面接に参加するための交通費の支給があるかどうかは会社によりますから、特に地方在住で都心の企業に入社を希望している場合、逆に都心の大学に通っていて地元に戻ることを希望している場合などは、オンラインで説明会や面接をする会社が増えれば、選択肢がグッと広がるでしょう。

「オンライン面接」を経験した主婦層 約8割が「今後も活用したい」

主婦と主夫のためのパート求人サイト「しゅふJOBパート」を運営するビースタイル メディアの調査によると、求職中の主婦層1055人のうちオンライン面接を受けたことがあるのは19.0%でした。パート求人の分野では、まだまだオンライン面接の実施率は低いようです。

しゅふJOBパート「オンライン面接(テレビ電話面接/web面接)」の実態調査より。画像提供:ビースタイル グループ
しゅふJOBパート「オンライン面接(テレビ電話面接/web面接)」の実態調査より。画像提供:ビースタイル グループ
しゅふJOBパート「オンライン面接(テレビ電話面接/web面接)」の実態調査より。画像提供:ビースタイル グループ
しゅふJOBパート「オンライン面接(テレビ電話面接/web面接)」の実態調査より。画像提供:ビースタイル グループ

しかし、オンライン面接経験者の66.5%が「問題なく行えた」、78.3%が「今後も活用したい」と回答しており、フリーコメントでは以下のようなメリットが挙げられています。

・移動時間を考えず、自宅でリラックスして面接に臨めた。

・特別に用意する物は特になく、手軽に出来た。交通費もかからない。移動時間もない。良いことしかなかった。

家事や育児などの合間にパートをしたい主婦(主夫)にとって、移動の時間を取られずに就職活動をできるというのは大いに魅力でしょう。

導入を躊躇する企業の理由は?

同じくビースタイル メディアが4月末〜5月上旬に企業のパート採用担当者に行ったアンケートによると、新型コロナウイルスの影響で、新たにオンライン面接をするようになった担当者は10%、それも含めてオンライン面接を実施している担当者は22%にとどまりました。コロナ禍で対面が難しい時期でしたが、スケジュールを保留にしたりして様子見をするケースが多かったようです。

しゅふJOBパート「採用活動におけるコロナ影響の調査」より。画像提供:ビースタイル グループ
しゅふJOBパート「採用活動におけるコロナ影響の調査」より。画像提供:ビースタイル グループ

オンライン面接を実施していない理由としては、「直接、お会いして話したい」「オンライン面接に、まだ抵抗がある」といったオンライン面接に懐疑的な意見のほか、「社内整備が整っていない」というものもありました。

オンライン面接を経験した求職者の方でも、「画像の乱れや音声の時差」「画面の中で相手が複数だったため顔がわかりづらく、空気が読みづらい」といった難点を指摘する声があります。

オンライン面接は求職者と求人企業、双方の可能性を広げる

面接という重要な場ですから、会話に支障のないインフラ環境やツールを用意しておくことや、お互いの表情を見やすくするなどの運用上の工夫が不可欠です。

逆にそれらをきちんと整えれば、企業はもっと積極的にオンライン面接を導入しても良いのではないでしょうか。

求職者側では「以前からオンライン会議を行っていてオンラインで話すことには慣れている」という声もあり、今後はますますそういう人が増えていくでしょう。就活中の学生やパートの希望者にとどまらず、地方にいて都心の企業を受けたい人や、最近増えているIターンUターン希望者などにとっても、オンライン面接はチャンスを拡大します。企業側も、オンライン面接を実施することで人材獲得の可能性が高まります。

地方の企業が移住を前提に正社員を採用する場合など、直接会うことが全くない状態で採用を決めるのはリスクが高いでしょう。しかし、途中まではオンラインでやり取りし、最終面接や会社見学、インターンシップで現地に来てもらうといったハイブリッドなやり方が、今後は広まっていくと思われます。

フリーライター(テーマ:働き方、経営、企業のIT活用など)

コクヨ、ベネッセコーポレーションで11年間勤務後、独立(屋号:みらいfactory)。2013年より、組織人の新しい働き方、暮らし方を紹介するウェブマガジン『My Desk and Team』を運営。女性の働き方提案メディア『くらしと仕事』(http://kurashigoto.me/ )初代編集長(〜2018年3月)。『平成27年版情報通信白書』や各種Webメディアにて「これからの働き方」、組織、経営などをテーマとした記事を執筆中。著書『本気で社員を幸せにする会社 「あたらしい働き方」12のお手本』(日本実業出版社)

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