「目標は6階級制覇。大竹もKOする」 WBO世界Sバンタム級王者アイザック・ドグボエ インタヴュー
8月25日 アリゾナ州グレンデール
ヒラリバー・アリーナ
WBO世界スーパーバンタム級タイトル戦
王者
アイザック・ドグボエ(ガーナ/23歳/19戦全勝(13KO))
対
挑戦者
大竹秀典(金子/37歳/31勝(14KO)2敗3分)
*インタヴューは8月22日に電話で行われた
KOへのこだわり
ーーマグダレノ戦では素晴らしい内容でチャンピオンになりました。以降、ファン、母国の人々の反応はどうですか?
ID : 素晴らしい日々を過ごしていますよ。すべてのファンの方々に感謝したいです。自分は恵まれています。ただ、これからさらに前を向いていかなければいけません。
ーー初防衛戦で対戦する大竹選手の印象を聞かせてください。
ID : フィジカルの強さが長所の選手ですね。戦績も素晴らしい。大竹は連勝を続けているので、日本の人たちも彼に期待を寄せていることでしょう。そんな彼を倒せたときには、私は大きな喜びを感じるはずです。私はいつか日本でも試合がしたいと願っています。そのためにも、まず今回はKOで勝たねばなりません。
ーー大竹選手の挑戦を受けると決めた理由は?
ID : 私が大竹を選んだわけではありません。大竹は複数の世界タイトル認定団体のランキングで上位にランクされていました。だから彼が選ばれたのでしょう。
ーーファイトプランを可能な限りで良いので教えて下さい。
ID : ここで詳しく話すつもりはありませんが、1つだけ言っておきたい。土曜日の試合はエキサイティングなファイトになります。彼は積極的に前に出てくるファイターで、私も同じなので、激しい試合になる。8月25日はファンを喜ばせるファイトができると思います。ファンタスティックなショウになるので、多くの人にアリーナに来て欲しい。それが難しいのであれば、ESPNにチャンネルを合わせて下さい。
ーーすでに様々なところでKO宣言をしていますが、ノックアウトで勝つことはあなたにとって重要なことですか?
ID : とても重要です。シンプルに、ノックアウトはエキサイティングだから。ファンはKOシーンが見たくて会場に来るんです。2人の偉大なウォリアーがリングで対峙すれば、自然と打ち合いになる。そして、KO、判定という勝ち方の手段がありますが、私は大竹戦でもKOを狙いに行きます。
統一戦、そして複数階級制覇へ
ーーまずは大竹の試合に集中しなければいけないのはわかっていますが、この試合をクリアしたとして、その後に戦いたい選手はいますか?
ID : 統一戦がしたいですね。ダニエル・ローマン(アメリカ)、レイ・バルガス(メキシコ)といった同じ階級の他のチャンピオンたちと戦いたいです。ただ、今の私は大竹秀典に集中しなければなりません。私の目の前には彼がいるのだから、統一戦のことを考えるのはその後になります。
ーー複数階級制覇の希望も語っていますね。最終的にはどのくらいまで階級を上げていきたいと考えていますか?
ID : 5〜6階級は制覇したいです。
ーー6階級となると、ウェルター級くらいまで辿り着くことになります。実現すれば、マニー・パッキャオ(フィリピン)のようになりますね。
ID : パッキャオはそれをやり遂げました。大変なことですが、私も父親とともに将来の6階級制覇に向けて計画的にトレーニングを続けています。目標を達成できると信じています。
ーーあなたはガーナ出身ですが、子どもの頃に憧れた選手は?
ID : 私には複数のフェイバリット・ファイターがいました。殿堂入りを果たすような選手たちのことはリスペクトしています。まずは母国の英雄であるアズマー・ネルソン。そしてモハメッド・アリ(アメリカ)。彼らは敗れることはあっても戦い続け、その雪辱を果たした選手でもあります。私もロンドン五輪では清水聡(大橋)に痛恨の敗北を喫しましたが、大竹戦でその雪辱を果たしたいと願っています。
ーーその清水選手との試合のおかげで、一部の日本のファンは世界タイトル獲得前からあなたの名前に馴染みがありました。
ID : だとすれば、その人たちは私は本当は負けていなかったことも知っているはずです。清水本人も自身が勝者ではないとわかっているでしょう。私はあの悔しさを乗り越え、今では世界チャンピオンになりました。いつか清水と対戦し、今度は彼をノックアウトしたい。判定ではなく、KOです。あの試合は悪夢のようでした。負けが告げられたあとは自分の部屋に引きこもり、数日間は外に出ませんでした。痛恨の負けで、判定も理解できませんでした。あの敗北を忘れることはありません。
ーー仰る通り、今では世界王者になって、今後に何を成し遂げていきたいですか。最後に目標を教えてください。
ID : 勝ち続け、ボクシング界の人々を喜ばせていきたいです。今後もハードワークを続け、自分が選んだスポーツに献身的に取り組めば、素晴らしいことが成し遂げられると確信しています。