【史上初】世界最長スケートリンクがいまだ閉鎖中
国民の3割がスケートを楽しむといわれるカナダ。この国には、世界で最も長い巨大なスケートリンクが存在します。全長7.8キロの「リドー運河スケートウェイ」は、首都オタワを流れる水路が凍ってできる天然のアイスリンクです。
この冬の風物詩でいま、異常事態が起きています。
2月に入っても氷は薄く、いまだオープンしていないのです(2月10日時点)。このリンクは1971年に開設され、これまでもっとも遅くオープンした日は、2月2日(2002年)でした。
(↑9日の氷の様子。オープンするにはまだほど遠い状況。)
スケートリンクが開く条件
この氷上のリンクがオープンする基準とは何なのでしょうか。
それは氷の厚さが30センチ以上になることです。そのためには-10~20度の日が、10~14日続くことが必要とされています。
オタワは”世界で7番目に寒い首都”といわれるように、冬の寒さは厳しく、-30度台に冷え込むことも珍しくありません。ところが今年は暖冬となっています。
とはいえ、今月初めには気温が-40.6度まで下がった時もありました。その前日にはアメリカ北東部のワシントン山で、体感気温が-78度というアメリカ記録が作られたほどです。
この寒気の到来で氷が張るかと期待されたのも束の間、寒さは早々に緩んでしまい、運営者は肩を落としました。しばらく十分な寒さは見込めないようです。
温暖化の指標
なかなか凍らないリドー運河に、さぞやカナダ人はがっかりしていることでしょう。そう思って、カナダ出身の友人に同情を寄せてみましたら、「え?暖冬の方が、スケートリンクが開くことよりもよっぽど嬉しいよ」と返答が来て、肩透かしを食らってしまいました。
近年、スケートリンクのオープンが遅くなっています。
カナダ・CTVニュースによると、スケートウェイの開いた日は、1995年以前は平均12月27日だったのに、1996年以降は1月10日へと後ろ倒しになったといいます。
また、1995年以前は1月1日までに開いた年は19回あったのに、1996年以降は6回に減ったというのです。
リドー運河スケートウェイは、カナダにおける温暖化の一指標となっています。